母親の着る服 | 日米★つまみ食い育児ログ

母親の着る服

どこで読んだ話か覚えていないのだが、シュタイナー教育の保育者は、心がけて、柔らかい色合いの服装を身につけるようにしている(すべき、だったかも)という。

以前オープンハウスに行った近所のシュタイナー学校でも、先生方は皆、穏やかなアースカラーが基調の、くつろいだ普段着姿だった。
我が家の子どもたちの通っている幼稚園の先生方のように、動きやすいTシャツ・ポロシャツにジーンズやチノパン、なんて機能的な格好の人はいなくて、最初はどの人が先生かわからなかったくらいだ。
とくに幼児クラスのおばさま先生は、ウール地のロングスカートに柔らかいニットを羽織って、炉辺でロッキングチェアに揺られながら編み物でもしていそうなイメージ。
壁一面をやわらかい桃色に塗られ、素朴な自然のおもちゃが配置された幼児クラスの教室は、まるで暖炉のある暖かいリビングみたいだった。
ここは「学校」というよりはもう一つの「家」で、「先生」は「お母さん」代わりなんだな、と感じたのを覚えている。

先日、自分の秋冬用のシャツを買いに行った時、このことを思い出して、なるべくシュタイナーらしい、柔らかい色柄のものを探してみた。
買ったのは、ひかえめなピンクのバラ模様が浮かんでいる、薄いパープルブルーとライトグリーンのコーデュロイシャツ2枚。
不思議なもので、これを着ると自分まで優しい気持ちになって、子どもたちを抱いて静かに絵本を読んだりするのがしっくりくる。
もう少し寒くなったら、ウールのロング巻きスカートと合わせてみようかな。
動きにくくて去年はほとんど履かなかったけれど、お出かけしないで子どもたちと家でゆったり過ごす冬の午後には、そんな服が似合いそうだ。