アメリカの男性の大多数は、生まれた直後に割礼 (Circumcision) の手術を受けるそうだ。

割礼というのは、おちんちんの先端の包皮を切除する手術のこと。

宗教的な意味合いも強く、日本で出産していたら考えもしない文化だ。


良い画像がなかったのでダビデ像で(笑)



私たちはNIPTで性別がわかった段階から、割礼をするかどうかたびたび夫婦で話し合ってきた。

現地の方の意見も聞いて、数ヶ月悩みに悩んだ結果、子どもの将来的なことを考えて割礼をするという方向で意見がまとまった。


しかし、いざ誕生した息子の顔を見て、
「生まれたばかりのこの子に、本人が望んだわけでもないのに、親の独断で痛い手術を受けさせていいのだろうか…」
という葛藤が芽生えた。


Drにも「本当にどちらでもいいが、絶対に必要ではないし、手術である以上リスクもゼロではない」と言われ、ますます気持ちが揺らぐ。



しばらくして、いつも健診を受けていたオフィスから、ずっとお世話になっていた日本人Drが様子を見に来てくださった。

Drに相談すると、
「入院中に決められなくても、30日以内に病院に来てもらえれば手術は受けられるよ」
とのこと。

しかし、一度保留したまま退院して、手術のためだけに再び病院に来るのは大変なので、やはり当初の決断通り入院中に手術を受けることにした。

Drが「受けるのね!じゃあ担当するDrに今夜の手術をお願いしておくね」と言って退室された。



覚悟を決めて手術担当のDrを待つ。

待つ。

待つ。



来ない。


20時を回っても
21時を回っても
ついに23時になったが

割礼担当Dr来なかった!(笑)




翌朝再び様子を見に来てくださった日本人Drに、昨日割礼担当Drが来なかったことを話すと
「来なかったんだねー!」
というあっけらかんとしたご様子(笑)。

アメリカ特有のいい加減さがこんなところにも!



そしてなんと、このハプニングのおかげで、日本人Drが直々に退院日の朝一で手術してくださることになった。

実は日本人ママさん達の間で、このDrの割礼手術はとても上手というクチコミを聞いていたので、まさに災い転じて福と為す!



そしていざ手術の朝。
30分ほどでオペ室から帰ってきた息子。

Dr「少しだけ泣きましたがすぐにケロっとしていました。お利口さんでしたよー!
手術は大成功です。自分でいうのもなんですが、とても綺麗に切れました!」

と自信満々に仰ってくださり、このDrに執刀してもらえて本当によかった…!と心から感謝した。



患部は真っ赤に炎症しているので、オムツへの癒着を防ぐために、しばらくはオムツ替えのたびにおちんちんに直接ワセリンをベタべタ塗りたくるようにと言われた。



最後まで迷いに迷った割礼だったが、その後特にトラブルもなく今に至っている。

やるorやらないは様々なご意見があると思うし、どちらが正解も不正解もないが、私たち夫婦はやってよかったねと話している。

もう立派に剥けているので、世のお母さん達が直面すると言われているむきむき体操などの悩みは皆無である。


アメリカで男児を出産予定の方は、割礼をどうするかについて夫婦でしっかり話し合ってみてください。