昨年末に行われた「大雷蔵祭」
自分の中では気持ちは盛り上がっていたのに 一度も見に行かなかった
随分は薄情な雷さまファンなのではあるが 今回再びあると良い事で 休みを取って出かけた
市川雷蔵と言えば 眠狂四郎に代表される時代劇なのだが
今回は是非 現代劇を間近に見たいと 「ある殺し屋」と「ある殺し屋の鍵」の二本
テレビサイズでは何度も見ているが 大画面の映画館では初めてである
映画館の新文芸座に行くのも初めてで 場所を探すのに苦労した
ちゃんと地図を確かめれば良いものを カンを頼りに動いたから中々見つからない
パチンコ屋の密集地で 丁度開店前の待ち客の混雑で 更に探し辛い
すでに予告編が始まっていた
入口付近から ポスターが並び まるでポスターの展示会の様で これを見るだけでも楽しい
時間ギリギリだった事もあり ロビーにはお客さんはもう居なくて
きっと空いているだろうと思いながら 免許証を見せてシルバー料金1000円を払って入場
暗い場内を目を凝らしてみるが かなり混んでいて 希望の席は取りにくい
映画青年だった事を思い出し 前から4列目に座る
流石に近過ぎて こりゃ一苦労しそう
視野の中には画面全体が入る事は入るが 左右に目をやらないと 動きがつかめない
改めて 適正距離を痛感するが 学生時代の なんとも言えないアノ感覚が蘇る
「ある殺し屋」
ニヒルな板前役の市川雷蔵 実は板前は隠れ蓑で 本業はプロの殺し屋
やくざの権利争いから 片方の親分から相手の親分を殺すようにと依頼を受ける
これに絡んでくるのが親分の片腕 成田三樹夫で 見るからに悪い男
もう一人あばずれの女が絡んでくる 野川由美子でこれがまたピッタリの役
更には まだ子供だった小林幸子が 小料理屋の女中で登場
研ぎ澄まされた針を 首にブスリと刺して殺すのは 後の仕掛け人に使われる手法だから
元祖の殺し方のように見える
最初から最後まで クールな市川雷蔵がそこにいた
「ある殺し屋の鍵」
市川雷蔵は日本舞踊の師匠 その弟子で芸者の佐藤友美
やはり日本舞踊の師匠は仮の姿 プロの殺し屋
山形勲から依頼を受ける西村晃 その西村晃から以来を受けた中谷一郎
更に中谷一郎の指示を受ける金内吉男 そこから最後に雷蔵が依頼を引き受ける
殺す相手は内田朝雄 誰もかも見るからに悪い奴ら
ここでも針を使って ぶすりと殺す
最後は 山形勲も西村晃も中谷一郎も金内吉男も死んでしまう
二作品ともクールな市川雷蔵の魅力で出来た作品
今回の大雷蔵祭では クールな作品ばかりだが 彼のコメディータッチの映画を見たくなった
初春狸御殿 花くらべ狸道中 濡れ髪牡丹 女と三悪人なんか良いね
1960年代の映画
殆ど同時録音の為 撮影機の音がかなりうるさい
台詞が無い時には音声を絞っているが やはり撮影機材の音が大きいから 拾ってしまう
一度気になると もう駄目で気になって気になって(笑)
最初のシーンで雷蔵さんのアップ ニキビというか吹き出物が頬にいっぱいある
雷蔵さんも若かったんだ と思った瞬間だった
今後の上映予告
中村錦之助映画特集には トークショーもあるようで 尾形伸之介さんが登場する
会いたいが 平日では無理だな
追悼・小林桂樹も行われる
観客の殆どがシルバー1000円のお客さんだった
懐かしさもあるし 安さもあるからシルバーの方が増えるのも良く判る
こうした作品を見るのは わたしを含め年寄りには 何よりです