久しぶりに新作映画を映画館で見た
今年一番の話題作と言って良いだろう「沈まぬ太陽」
白い巨塔 華麗なる一族 不毛地帯などを書いた 山崎豊子作品
ぼんち や 花のれん と言った作品も書いており映画化されている
長い作品を 2時間半や3時間半で描かねばならぬ映画は
どうしても描写が切り貼りのような気がして 後味が悪いものがある
「沈まぬ太陽」に関しては
アフリカ編 御巣鷹山編 会長室編を組み合わせたもので
話の流れはわかり易いけれども 描ききれていない裏側が気になってしまった
とは言っても
映画館に入ると 直ぐに眠くなって 必ず途中を見逃す私が 寝る事もなく
食い入るように映像を眺める事が出来たのは 映画の面白さからなのだろう
JALの再建問題が ニュースにあがる
余り興味のないものと 関心も持っていなかったが
ニュースの内容の背景を 映画で知ったような気がして 身近な問題と感じている
恥ずかしながらJALの労組問題など 全く知らなかった 関心事ではないから仕方がないが
映画がフィクションと言っても モデルになる人物もあり
掲載誌とJALとの 名誉毀損等の問題を見ると 必ずしもフィクションではない事を感じてしまう
最近
涙もろくなったのか 映画が始まると同時に涙が出た
生々しい御巣鷹山の惨状や 痛々しい安置所のシーンを見ると 悲しみが増す
主人公の家庭内の問題も 見ていて涙が出る
弱者が描かれる映画の中で 私が望んでいるのは 痛快なシーン
痛快に逆転して悪を懲らしめる
こんなシーンが描かれないと どうしても欲求不満になる
ラストがハッピーエンドでなくても コレさえあれば満足できる
理不尽な行為が そのまま通ってしまうのは どうしても後味が悪い
俳優さんの演技ウンヌンではなく 鈴木京香が良い
元々好きな俳優さんだが この人の演技は自然で良い
その半面 敵役になる俳優さんたちの薄さを感じるのは何故だろう
昔の敵役と言えば
石山健次郎 山形勳 三島雅夫 佐分利信 佐藤慶 西村晃などが浮かんでくる
重厚な敵役で 居るだけで存在感のあって 憎々しく思えたが
西村雅彦 柴俊夫 横内正 では役不足の感がした
大好きな 木村多江も良かった
3時間を越える作品で 途中10分間のインターミッション
全く飽きの来ない映画だったのだが・・・
何故なのだろうか
日本の映画って こんなレベルだったのか? と感じる
どこかに落とし穴のような安直さがあるからだろう
JALが協力しなかった事での 航空機の映像がCGだった事も理由に挙げられる
どうみてもCGと判るから 真実味が感じない
アフリカ部分の断片的な話も 何か違和感がある
力作である事は感じるが 日本映画のレベルが こんなものかとがっかりしてしまった
制作費がなさ過ぎるのも 仕方のない話なのだが・・・