『今晩飲んで 明日は仕事』大黒屋 | 逢えるじゃないか また明日 PartⅡ

逢えるじゃないか また明日 PartⅡ

ボスザウルスの隠れ家から「逢えるじゃないか また明日 PartⅡ」に変更しました。yahoo!ブログの閉鎖に伴い、アメブロに移動し、合体させました。引き続き宜しくお願いします。

ただ今編集中に付きしばらくは不完全ですので宜しく。

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昨日の続きの記事の大黒屋のはなし


仕事場が武蔵小金井だったのは今から28年前

8年半この土地で仕事もしたし 転勤した後も小金井公園の近くに住んでいたから準地元

カミサンと出合って カミサンの6畳一間のアパートに潜り込んだのも小金井

家に帰らない息子は 小金井に有る寮に入っていたと思っていた母だが

実はカミサンのアパートで 1年半近くも同棲していた

その事を母に話したのは 結婚25年も過ぎた両親と同居してから

母が「あらまぁ~!」と言ったのを 今でも覚えている



それまでの映画の仕事から その仕事に入った時は戸惑いもあった

入社早々オイルショックで大変な騒ぎだった

年下の先輩が連れてってくれたのが 小汚い飲み屋だったが活気の有る店だった

薄暗いなか縄のれんを分けてガラス戸を開けると カウンターは傾いているようで

そばに置かれた木の丸椅子が 何故か頑丈に見えたのには違和感があった

オバチャン二人が無愛想に注文を取り 料理を運んでくれる

本当は無愛想ではないのだが 店が忙し過ぎて余裕が無いだけ

何かホッ!とするお店だった



その場所にマンションが建ったと言う話は 風の噂で聞いていた

昨日は小金井に出る機会を見つけて 訪ねて見ることにした

大きなマンションが建って 店の位置が良く理解出来ないが

マンションに近づくと 見慣れた看板が目に入る

「今晩飲んで 明日は仕事」

こんな看板が出ていたのを 直ぐに思い出し 懐かしさがこみ上げる

小金井には来る事もあるし 直ぐそばの寿司屋だって 去年も来た

ただ大黒屋のことは忘れていたし 位置も良く判らなかったりしてゆく事が無かった

走り込みたいほどの懐かしさを覚えながら 新しい大黒屋の縄のれんをくぐる

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昔よりは大きくなった気がするが 間取りは昔のまま

再現したかのように 右側のカウンター そして左側のテーブルが三台

中に書かれた品書きも たしか昔と余り代わらないと思う

やはりここに来たら日本酒で まずは「もつ煮込み」

ふむ~   懐かしい煮込みの味

ここの煮込みは 他の店とは大分違って ジャガイモと豆腐が入る

独特のこの風味は病み付きになる 一気に28年前に戻った気持ちだが

見渡しても知った顔をは一人も居ない

女将さんに「30年ぶりに来ました」と告げる

ニコリ!と笑ってくれたが 焼き物が忙しく お喋りはとても無理

そう この女将さん見覚えが有る オバチャンの娘さんだ

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天井の汚れたよしずも昔そのまま

土曜日だけに スーツにネクタイ姿は誰一人居ない

昔我々は結構 ネクタイ姿で飲んでいたような気がする



小金井には行きつけの店が何軒かあった

すし藤(すしとう) 串政 のんき 真澄 ぶどうや 鬼無里 

それに焼鳥と言えば 恵比寿屋と 百薬の長 そして大黒屋

百薬の長は カウンターだけの店で この店は一人で良く行ったが

ご主人が亡くなられたと聞いた 通りすがりに見たがお店の人の顔は 知らない人だった

恵比寿屋は もうすでに無い事は知っているが 主の髭のおじさんが懐かしい

面白い話で 恵比寿屋のご主人と 大黒屋の先代の女将さんは ご夫婦だったんだそうだ

恵比寿屋に大黒屋 なんとも粋な話ではないか



『今晩飲んで 明日は仕事』

『女は愛すべし 酒は百薬の長』

武蔵小金井には いい言葉が残っているねぇ~