私は正式にはイギリスに在住して6年目です。
それ以前にも、学生ビザで滞在したりしているので、それらもあわせると結構な年月になります。そんなに長くいると英語が「ペラペラ」でしょ、ってよく日本の友人から言われますが、はっきりいってとんでもない。6年程度のイギリス生活で「ペラペラ」になる日本人はそんなに多くありません。
私は日本人としては結構英語が話せるほうだと思うし、ロンドンにいるときよりも郊外に住み始めてからのほうが断然英語力が伸びたと思う。(なぜなら日本人が近所に住んでいないから)
実際に仕事では100%英語を使うし、最近では某在英企業で通訳をするときもあります。それに第一、引越、買い物、パーティのオーガナイズ、学校の父母との付き合い等々、普通の生活をしていて困ることはほとんどない。それが、私が英語を話せると思う理由です。
でも例えば、国会討論をテレビ中継で見ていて全部わかるかというと、答えはノー。
それでも英語でケンカもするし、世間話もする。クワイアの執行部として会議にも出ている。
日本人が想像する「ペラペラ」というのは、目標値が高すぎるのだと思う。日本では、ネイティブ並の英語力でなければ話せるとは言わないのだと思う。
イギリスでは実はまったくそうではない。
ここは多国籍社会(とくにロンドン)なので、多少文法が違おうが、発音が変だろうが、そんなことは問題にならない。一番問題なのは「しゃべらないこと」なのだ。
たぶん、日本に住んでいるとこれは想像がつかないかもしれない。でも、世間話をみんなでしているとき、だまって「うん、うん、そうだね」しか言わない人は、頭が悪いと思われる。聞き上手なんて褒め言葉はない。どんなに高学歴の人であっても、何もしゃべらないのは「頭が悪い人」になってしまう。
文法が間違っているかもしれない、私は発音が悪いから通じないかも、とか考えている暇があったら、どんどん言葉にして話さなければイギリスでは「ペラペラ」とは言わないのです。
以前、NHKがインタビューで某日本人男性歌手が話す英語を、ネイティブの吹き替えで放送したことがあったらしい。イギリス在住の私から見れば、なぜそのまま放送しなかったのか?と思う。おそらく彼の発音や文法に間違いがあって、NHK的には「こんな英語は放送に耐えない」と判断したのかもしれません。
この間、仕事で、日本から来たばかりの留学生の男の子をホストファミリー宅に連れて行き、両者の通訳をしたのですが、男の子は
「すげー、Yukikoさんの英語、かっこよかったです!俺もそんな風に話せるようになりたいです!」
とえらく感動してくれた。彼はまだ日本から到着したばかりだから、きっとそう思ったんだと思う。がんばってくれたまえ。ワタクシ程度の英語力なら、簡単な目標ですからね。最初からネイティブになろうと思わないほうがいい。極端に言えば、その高い目標があるからこそ、途中でみんな挫折するのだからね。
ところで、日本ではイギリス英語では仕事がないらしい。
もし英会話スクールの講師になろうという日本人がいたら、イギリス英語では採用にならないと、実際に面接に言った友人に聞きました。
あのアメリカンアクセントでなければ英語と言わない、というのもどうなのかなあー。
私とメストリ・Gui Tavares氏は通常は英語で話しています。
お互いに英語は完璧じゃありません。時々メストリは「ポル語の○○は英語でなんて言うんだっけ」とか聞いてくるし・・・。きっと他人は「これでよく通じている」と思っているかもしれません。音楽に言葉はいらない、とまでは言わないけど、日本人同士だって話の合う人、合わない人っているものね。
英語だろうが、何語だろうが、本当に大事なことは、実はコミュニケーション能力なんじゃないかと思う今日この頃なのです。