ロンドンのフルハムにある小さなホテルで開かれたワインパーティで演奏を依頼され、お引き受けしました。
お客様はみんなイギリス人(しかも白人のみ)で、演奏する私たちだけが東洋人だったので、ギタリスト
いわく「なんだか植民地のイギリス人専用ホテルで演奏しているみたい」という状況でした。
ホテルにあるピアノはアンティーク。ドイツで購入してきたそうです。
音も味わいがありますが、なんといってもアールデコの装飾が施してあって、美しいピアノなのです。
それを弾く光栄に恵まれたのは、うちのピアニストである夫。
夫は「アンティークなだけに怖い」という感想でした。
演奏終了後、客のイギリス人が「あなたの声は本当に素晴らしかった。とても気持ちよくワインを飲むことができました」というので、私が「そうですか、ありがとうございます」といったら「お礼を言いたいのはこっちのほうです。本当にありがとう」と言ってくださいました。
こんな気持ちのよいライブは今までありませんでした。
そして言葉はちがっても、音楽さえあれば理解しあえるというのが、改めて分かったような気がします。
こんな素晴らしい機会を下さったホテルのオーナーや、バンドのメンバー、そしてボサノバという世界共通の
言語をくれたアントニオ・カルロス・ジョビンに感謝します!
