この年の4月からケンジとの生活が始まり、12月になりました。


まだリンは好きでもないケンジといます。

もちろん流産事件から、夜の夫婦生活はありません。

でも、時々ケンジが酔っ払ってるときに求めてきます。

リンは悔しいが殴られるよりマシだと思い、嫌々マグロ状態で受け入れます。

ただただ行為が終わるまでの我慢・・・。


「ケンジと別れたい・・・」

そんなリンの思いは日々膨らんで行きます。


それにしても付き合ってから8ケ月くらいで『別れたい』と思ったのはケンジが初めてです。

今まで付合った人は、期間が短い人でも2年間は一緒にいました。

しかし、今回は特別なのです。

リンは酒乱と付合うのが初めてだったし、予測できない暴力はあまりにも痛くて耐えられない・・・。

もう体力の限界です。


「家を出たい・・・」

誰にも届くことのない、心の叫び・・・。


家を出たくても密かに思っているだけなのです。

だって、リンにはお金がありません。

ケンジがまったくお金を持たせてくれないのです。

食料もケンジの休日にまとめ買い・・・。


更に以前、携帯を壊された為、知人の連絡先もわかりません。

新しい仕事も、ケガの繰り返しで探すことができません。


外出のできないリンは、一日に10回以上送られてくるケンジの監視メールを返信しながら家事をしています。

メールの返信がちょっとでも遅れると、帰宅後すぐ殴られます。

此処までくるとほぼ軟禁ですよ。


世間が慌しい師走・・・。

この忙しさを過ぎると、クリスマス、大晦日、お正月となり、お酒を飲む行事が盛り沢山になってきます。


「まともに平穏で年を越せるハズが無いだろうなぁ・・・」

リンは当然そう思う。


「きっと・・・、また酔って殴られるんだぁ・・・」

そして最高潮に不安。


普通の連休でも恐ろしいのに、お酒を飲む最大イベント、お正月が来てしまいます。


「どうすればケンジをの暴力を回避できるのか・・・?」

リンはとてつもなく悩む。


いよいよ秒読みです。ケンジ仕事納めのカウントダウンが・・・。