BOSS DS-1 Serial Number and Op-Amp (2022年5月19日現在)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
BOSSコンパクトエフェクターの4桁シリアルナンバーはローランド社が設立された1972年を起点とし、

8月を頭01番で下2桁は00番の0100としています。

(7月を頭00番で下2桁を00番の0000としているのかも知れません。)

そこから計算するとDS-1がリリースされた1978年6月は頭71番で下2桁00番の7100という事になります。

 

オペアンプは1978年6月の#7100から1978年9月の#7400まではToshiba TA7136P

1978年10月の#7500と1978年11月の#7600はTA7136PとTA7136P1混在

1978年12月の#7700から1979年9月の#8600まではToshiba TA7136P1

1979年10月の#8700からToshiba TA7136APになります。

(画像の表ではTA7136P1もTA7136Pとして記載しています。)

(TA7136PはパワーアンプICなので通常はオペアンプとは呼びませんが、DS-1のBOSSエンジニア用サービスノートにはOP Ampと明記されていますので、ここでもなるべくオペアンプ呼びで記載しています。)

 

6桁シリアルナンバーの付け方も基本的に変わりません。

例えば1981年6月ですと頭07番で下2桁00番、途中2桁の意味するところは不明です。

(1988年から下2桁00番ではなくなりますが、こちらも意味するところは不明。)

6桁シリアルナンバーに移行する時期は機種によって異なります。
 
BOSSのシリアルナンバーは厳密にいうとロットナンバーです。
ロットナンバーですので番号被りがあります。
ですが、BOSS公式のService Notes等にはSerial NumberもしくはSNo.等として記載されていますので、なるべくシリアルナンバー呼びで記載しています。
(技クラフトのように通しナンバーのシリアルナンバーを別に持つ機種もあります。)
 
1989年からアルファベット2桁+数字5桁のシリアルナンバーに移行して行きますが、
最初のアルファベットは百の位以上のロット。
Z→0
A→100
B→200
C→300
D→400
E→500
F→600
G→700
H→800
I→900
J→1000
K→1100
L→1200
のように続きます。
(Yまでアルファベットを使い切ったらZに戻り、また、A~、B~、と繰り返します。)
次のアルファベットと数字の組み合わせで製造年月、
最後の4桁数字の最初2つの数字はロット数の下二桁。
最後の2つの数字はそのロットでの製造個数です。
 
例えばAA12345のシリアルナンバーがあったとしたら、
最初のAで100ロット目を表し。
次のA1は製造年月の1989年4月。
最後の4桁の数字の最初2つは最初のAの100ロットと合わせて123ロット。
最後の数字2つはそのロットでの製造個数です。

 

1988年後半から1990年前半までの電池ボックス内ラベルシリアルの台湾製はイレギュラーなシリアルナンバーの場合も多く、
海外の有志が制作したBOSSシリアルナンバーデコーダーが間違った回答を出してしまう場合もあるので注意して下さい。
 
DS-1は1989年2月に日本での販売が一旦終了します。
ですが、台湾での生産は継続していて、アメリカなどの海外には輸出しています。
日本での販売再開は2001年の12月でした。
(DS-1の販売停止期間中、日本では並行輸入という形で楽器店で手に入れる事ができました。)
 

1994年12月のDS-1のBOSS公式エンジニア向けサービスノートには、

「IC変更に伴い、DS-1 (ACA ADAPTOR TYPE)から DS-1A (PSA ADAPTOR TYPE)にSNo.JG83100,1031Lot(1994.11生産)から変更となります。

名称がDS-1からDS-1Aに変わりますが、製品のペダルには、DS-1と表示されています。~(省略)」

と記載されています。

これがBOSSシリアルナンバー解読のヒントになります。

 

JG83100のJは1000ロット目。

G8で1994年11月製造。

31は最初のJと合わせて1031ロット。

最後の数字2個はそのロットでの製造個数(00が一番始め)。

 

1994年11月からのDS-1Aはそれまで東芝TA7136APシングルオペアンプ回路だったDS-1がRohm BA728Nデュアルオペアンプ回路に回路変更されています。

それと同時にACAアダプター対応からPSAアダプター対応に変更されています。

(ちなみにSD-1がPSAアダプター対応になるのは1997年5月からです。)

 
2001年12月にオペアンプがRohm BA728Nから三菱M5223ALに変更。(2001年11月は不明。)
という事は、日本では公式にはRohm BA728Nが載ったDS-1は販売されなかったという事になります。

そして、2005年から2007年にかけて段階的に三菱M5223ALからJRC NJM3404ALにオペアンプが変更に。

2006年頃からASS'70562634ROという基板に変わります。

(時期的に、ROはRoHSのROでしょうか?)

 
2010年の11月から現行のシリアルナンバーの付け方に変わります。
現行BOSSのシリアルナンバーの付け方は、
アルファベット1桁+数字1桁+アルファベット1桁+数字4桁です。
 
例えば、A0A0000ですと、最初のアルファベットは百の位以上のロット数。
次の数字とアルファベットで製造年月。(0Aですと2010年11月ですね。0Aの次の月は1Aと続きます。)
最後の数字4桁の最初2つの数字は十の位と一の位のロット数。
最後の数字2つはそのロットでの製造個数です。
 
これらのローランド&BOSSのシリアルナンバーの付け方はあくまでもユーザー側の予想ですので、
実際にどうなっているのかは社外秘だそうです。
 
2017年5月から表面実装基板(SMT SMD)になり、バッファ回路が技バッファになり、
入力インピーダンスも470kΩから1MΩに変更になります。
モデル名もDS-1(B)に変更に。
 
(2017年4月から1年間発売された40周年記念の筐体が黒く金色文字のDS-1-4A(T)は、
スルーホール基板で旧型バッファー、入力インピーダンス470kΩの旧型の回路です。)
(DS-1-4A(T)とは別にDS-1-BK(T)という、同じく黒いDS-1がギターセンター限定で2016年に発売されています。仕様はスルーホール基板のDS-1と同じで文字色と筐体色が反転しています。)
 
2020年6月頃から台湾製からマレーシア製になり、モデル名もDS-1(C)に変更になりました。
DS-1(B)やDS-1(C)、DS-1-4A(T)等の型番は外箱と保証書に書いてあります。
(但し、90年代のDS-1Aという型番はBOSS公式のサービスマンノートにしか書いてありません。)
 
ちなみに、表面実装基板やマレーシア製にモデルチェンジした時には、
シリアルナンバーがZ始まりになります。
ロット数がリセットされた訳ですね。
 

2022年7月以降、Roland/BOSSのシリアルナンバーは未来にズレ込みます。

(シリアルナンバーの見かけ上、未来に生産されたように見える。)

これは製造工程やアフターサービス等において、シリアルナンバーの「アルファベットのO」と「数字の0」を混同しないようにとの措置なので、以下のように置き換えて考える必要があります。

 

?8N????(May,2022)→?8N????(May,2022)

?9N????(Jun,2022)→?9N????(Jun,2022) ここまで訂正なし

?0O????(Jul,2022)→?0P????(Jul,2022) ここからずっと訂正

?1O????(Aug,2022)→?1P????(Aug,2022)

?2O????(Sep,2022)→?2P????(Sep,2022)

?3O????(Oct,2022)→?3P????(Oct,2022)

?4O????(Nov,2022)→?4P????(Nov,2022)

?5O????(Dec,2022)→?5P????(Dec,2022)

?6O????(Jan,2023)→?6P????(Jan,2023)

?7O????(Feb,2023)→?7P????(Feb,2023)

?8O????(Mar,2023)→?8P????(Mar,2023)

?9O????(Apr,2023)→?9P????(Apr,2023)

?0P????(May,2023)→?0Q????(May,2023)

?1P????(Jun,2023)→?1Q????(Jun,2023)

 

要するに??O????が無くなって次のシリアル??P????が前倒しで使われているんですね。

その証拠に??O????のシリアルナンバーを持つBOSS/Roland製品が見つかりません。

10ヶ月分シリアルナンバーが前倒しになっております。

(BOSSの200シリーズ等は底面に生産年月シールが貼ってあるので、それでこの説が正しい事が確認できます。)

「BOSS Pedal Serial Decoder」はまだ未対応ですので、シリアルナンバーが未来に行ってしまったという事ですね。

シリアルナンバーの読み方の詳細は社外秘ですので、あくまでもユーザー側の予想に過ぎませんが。

(くれぐれも、RolandやBOSSに問い合わせしないようにして下さい。)

BOSS Distortion DS-1

 

 
私所有のファーストロット#7100のDS-1
A基板(052-286A)なのはシリアル#7100だけだと思います。
250pFのセラミックコンデンサー(C7)が基板の裏側に取り付けられているのがA基板の特徴。
それとA基板の7100のみレベル直後の10k抵抗(R18)が存在しません。無くても大丈夫なんでしょうか?
 
 
 
私所有のB基板(052-286B)のDS-1(#7200)
A基板はパターンミスだったのでしょう。#7100はあまり製造される事なく終了し、基板裏の250pFのコンデンサー(C7)が#7200のB基板から表側に移動。
そしてB基板からレベル直後の10k抵抗(R18)が取り付けられます。レベル直後の10kの抵抗は、パターンを途中で削ったり、若干斜めになっていたり、かなり無理やりな取り付け方です。
そして#7300からC基板(052-286C)となり、DS-1の基板は一応の完成となります。(#7300は持ってなかった。)