今回の紀行は福井県。1泊2日で友達3人と温泉旅館で、昨年逝去した友の思い出をふり返りつつ、語り合うのが目的。行程は昼過ぎの「サンダーバード」で出発だが、時間を有効に使いたい私は、無理をいって往路のみ別行動をとらせてもらうことにした。
 
大阪発6:21の米原行に乗車。車内でコーヒーを飲みながら、日刊スポーツをめくる。この紙面で私は、特急「日本海」の廃止を知ることとなる。友達によると、読売新聞では前日の夕刊の一面に記事が出ていたらしい。
 
とうとうその時がやって来るのかと、車中は少し寂しい気分で時間を過ごした。
 
京都で湖西線に乗換え。6:58発の近江今津行は117系。普段、乗る機会がないので、「日本海」の寂しい気分から一転してテンションが上がった。
 
自宅からカップ酒とつまみを持参しており、湖西線乗車でいつもしている「江若鉄道廃線跡観察」と琵琶湖の景色を眺めながら、一杯やろうと思っていたが、乗車後すぐに睡魔が襲ってきたので、逆らわずに眠ることにした。
 
目が覚めると「堅田」を過ぎたくらいであったが、車内は通勤客が多く、あまり空かない。一杯やる雰囲気ではなかったので、酒は見合わせ、景色を眺めながら、117系の走行音を堪能することにした。近江今津8:03着。
 
ほとんどの客が改札口に向かったようだが、到着前の車中から見た乗り継ぐ福井行は、増結しているかもとの期待もむなしく2両編成。座るのはムリだろうと思い、私はトイレをゆっくり済ませる。
 
福井行のホームへ上がると、車内はスポーツ系の学生で混雑していた。座れないならかぶりつきをしてやろうと、運転席後ろに立つ。発車間際にも学生が乗り込んで、ほぼ満員で発車した。
 
学生たちを観察していると、手にしているのは「関西1デイパス」
 
観光ばかりでなく、このような競技の遠征に行く学生にも浸透しているのかと感心する。その学生たちは、いったいどこまで行くのだろうと思っていたら、「マキノ」で一斉に下車。車内はガラガラになった。18きっぷのシーズンならありえない現象だ。
 
座れたので、ようやく一杯できる状態になったが、下車する敦賀まであまり時間がないので見合わせる。敦賀8:48着。何度か訪れて気に入っている街なので、普通列車で通りかかる際は、途中下車を心掛けている駅だ。
 
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改札口で「途中下車」と告げて乗車券を示すと、下車印を押してくれたのは少々びっくり。いつもは18きっぷでやってくるので、下車印を押してもらうことはなく、下車印の存在自体忘れていた。
 
敦賀は昨年の年末以来の下車だが、お気に入りだった以前の待合室は、跡形もなくなっていた。
 
ショックではあったが、バリアフリー化が遅れていた駅だったし、来年には、交流施設が併設された新しい待合室が出来るようなので期待したい。
 
生まれ変わる駅が完成するまで、仮設になっている待合室へ足を運ぶ。
 
仮設ではあるが、従来の待合室で営業していた、コンビニ兼土産物店、駅弁店、そば・うどん処は継続営業しているのはうれしい限り。カバンには、持参していたカップ酒が入っていたが、ここの待合室で過ごすなら、地元の酒を飲みたい。
 
コンビニで敦賀酒造「福寿杯」と笹かまぼこを購入し、ベンチで一杯やる。朝9時から旅先で酒が飲めて、気分は上々である。
 
周りも列車を待つ人や、地元の人が絶えず出入りしているが、どこかまったりしているのが私が気に入っているところ。酒を飲んだあとは、うどんを食べて遅めの朝食を終える。駅弁にも食指が動いたが、外はあいにくの雨模様で、持ち歩くのに難があるので見送った。
 
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このあとは、商店街を軽く散歩して駅へ戻った。