お盆休みは近場の観光地ヘ行こうと思い、王子動物園と六甲有馬ロープウェーに出かけてきた。

 

10時過ぎに王子動物園に到着。

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王子動物園の特徴は園内に遊園地があることで、さっそくのぞいてみると、観覧車を筆頭に主要な乗り物が揃っていた。午前中ということもあって、人影はまばらだったが、昭和レトロの面影を残す貴重なエリアなので、何とか生き延びてほしいと思う。

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動物園の醍醐味といえば、大型動物に会えることだが、今回はゾウに注目した。そもそも、ゾウを見たのは何年ぶりか想像もつかない。暑いせいか、ゾウはあまり動こうとしなかったが、時々、鼻をヒュルヒュル動かしているのは癒しになる。尤も(もっとも)突然、ドカドカ歩き出したら恐怖に陥ってパニックになってしまうだろう。

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他のエリアもまんべんなく周ったが、キリンは見学エリアの外で微かにしか見えず、ホッキョクグマも出てくることはなかった。仕方なしに元気な猿エリアに向かうが、ブランブランと軽やかに動く猿たちはかわいかった。

 

動物の各展示のそばには、サポーターのプレートが設置されていた。サポーターは主に地元企業を中心に構成されており、動物を支援している企業名などがプレートに明記されている。なかなかよくできた制度だと思う。動物園は、様々な人々に支えられているのだと実感した瞬間だった。

 

ジャイアントパンダが公開休止だったのは残念だったが、園内ほぼ巡って、1230分過ぎに退出する。

 

王子公園駅から、ひと駅阪急電車に乗って六甲駅で下車。駅前から、六甲ケーブル下行きのバスに乗車する。発車後、北へ進路をとったバスは県道95号を登っていくが、かなりの勾配である。車内は混みあっていて、バスは苦しいと思うのだが、そんなそぶりを見ぜずに登ってゆく。ただ、途中の停留場から坂道発進する時は、結構バックしたので、ひやりとした。15分ほど走って、六甲ケーブル下に到着。ここで見た光景に、私は愕然とする。

 

ケーブル乗り場には、外国人観光客を中心にかなりの人数がたむろしていたのである。この混雑がロープウェーまで続くのかと思うのかとゾッとするが、とにかくケーブルカーの座席を確保するために早めに切符を購入し、列に並ぶ。私の後ろにどんどん列が伸びていくが、特に混乱は起きず、やがてケーブルカーが到着。そうだケーブルカーは2両編成だった。これなら何とか乗りきれるだろう。

席を確保し、動き出すと、私は満悦気分で一杯になった。特にケーブルカーのファンという訳ではないが、能勢妙見ケーブルの廃線が決まって以来、これから各地のケーブルカーやロープウェーに出来るだけ乗ろうと決意したばっかりだったのである。その一歩を踏み出した瞬間が嬉しくてたまらなかったのだ。

 

六甲山上駅に着くとバスに乗り継ぐ。以前はここから六甲有馬ロープウェーの表六甲線が運行されていたが、現在はない(正確には休止中だが、復活の見込みはほぼない)。ケーブルカーからバスに乗り継ぐが、乗る人はそれほどでもなく、座席が埋まる程度で発車。その乗客も六甲ガーデンテラスで大半が下車しまった。バスは私を含め、数人の客を乗せてロープウェー山頂駅へ到着。早速、山頂駅構内へ入るとロープウェー待ちの人で座席は埋め尽くされていた。

 

先程のバスの乗車率で考えると、六甲山の観光ルートは、海側と山側(有馬温泉)から、それぞれ六甲山を目指す流動が主流と推測される。私のようにケーブルカーとロープウェーで縦断する人は、案外少数派かもしれない。

 

ここでも結構早めに列に並んだ。やがてやってきたロープウェーに乗り込むが、窓際は全部押さえられてしまい、人に囲まれた中程という最悪のポジションに立つ羽目になる。悔しいが仕方ない。

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私の前に車内アナウンス係の女性が立って、ロープウェーは動き出した。
動き出すと、アナウンスが今乗っている車両は、3年くらい前から新型に変わっていたと言っている。そういえば軽快なデザインの車両だったなと気付く。

 

ロープウェーのは六甲山頂の山並みを進んで行く。ただ、視界の上部は何とか見ることができたが、湯槽谷(ゆぶねだに)と呼ばれる深い谷や、急勾配を滑るように進むスリル満点の景色は、車内は混雑しすぎて見えなかった。ロープウェーは一番の楽しみだっただけに、少し残念であった。

 

12分間の空中散歩を終えて有馬温泉駅に着くと、下車客は温泉街へぞろぞろとい歩いていく。私もその中に混じって歩き、最終目的地の「有馬温泉金の湯」へ向かう。

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幸い、待ち時間なしで金の湯には入場できた。しかし、浴室は混んでおり、落ち着いて浸かっていられない雰囲気だった。しばらくして慣れてくると、人々の隙間を見つけては湯船に入り込んむ。おかげで疲れを癒すことができたが、外に出ると待ち時間35分の看板が…。本当にタイミングがよかったと胸をなでおろした。

 

この後、電車かバスどちらで帰ろうかと悩みながら歩いていると、通り雨に見舞われる。バスターミナルへ逃げ込み、主なバス路線の時刻をチェックする。すると、初めて聞く「さくらやまなみバス」の西宮北口行があるのを知った。このルートで帰ることに決定し、雨が上がった外を歩いて湯上りビールを飲む。そして、バスで一気に山を下ったのだった。西宮の市街地は渋滞していたので、途中の夙川駅で下車する。そして阪急電車で帰路についた。

 

今回のルートを体験して、本格的な登山が苦手でも手軽に六甲を楽しめるし、動物園もまったりしていて、悪くないと思った。これからも地元を発掘していこうと改めて思ったのだった。