昨年12月、青春18きっぷで高松へ出かけたが、その際、相生から赤穂線に乗った。小豆島航路が事実上の廃止になった日生港の様子を眺めた余韻があって、存在を忘れていたあの場所。そう、ボーっとしていたら、いきなりその風景が目に飛び込んできた。
「アルファビゼンが解体されている！」
アルファビゼンは、閉鎖されて20年余り放置されていた備前市西片上の複合商業ビル。とうとう解体が決まったのかと検索してみると、改修工事で規模を縮小し、多目的施設として再出発となることが決まっていたらしい。全然、知らなかった。とにもかくにも、一度見にいこうと出かけることに決める。
趣味の街道歩きが、偶然にも片上宿を通過することになった。この日、国道2号の一里塚を過ぎると、工事中のアルファビゼンが見えてきた。
今日は土曜日だが、屋上では工事車両が動いているのが見える。
歩き進み、やがて懐かしい片上鉄道の駅跡へ立つと、もう目的地は目前だ。さっそくビルの前に立つ (比較写真は3年前に撮影したもの)
入口にスプレーの落書きのようなものがあり、ちょっと荒れ果てたのかなと思ったら、改修を前に思いを自由に描くイベントがあったとらしい。そんなにこのビルは愛されていたのかと感心したものの、改修方針が決まるまで、ビルの行く末が迷走していたので、個人的にはこの先のことが少し不安でもある。
アルファビゼンの目の前に定食屋(ともみ食堂さん)が営業していたので、昼食を食べに入り、食後に女将さんに今後のことを聞いてみた。
女将さん曰く「片鉄片上駅跡にあったパチンコ屋が解体され、図書館ができる。そして、アルファビゼンの改修が決まり、町は良くなっていくと思います」とのことだった。
町の今後を不安視して申し訳なかったとお詫びしたい。そして、女将さんの言う通りの町に変貌することに期待する。これからも片上に通おうと思ったのはいうまでもない。
ところで、ともみ食堂さんの「和風ロール白菜定食」はとても美味しかった。
「御飯をいっぱい食べてもらえることが何より嬉しい」と笑顔でおっしゃっていた女将さん。素敵な店に出会えて良かったと思ったのである。