丸岡城に来るのは1992年以来2度目。前回訪問時のことは忘れてしまっているので、新たな気持ちで見て回りたいと思う。「丸岡城」バス停を降りると、すぐに天守閣が見えてくる。
 
町道から見上げた木造建築の天守閣は、美しい風情をかもし出していた。
 
天守閣に入る前に、周りを軽く散策する。
 
「お静慰霊碑」を見る。丸岡城築城の際に起きた「お静」のエピソードは戦国時代ならではという感じで、興味深く読んだ。
 
また、天守閣入口前には、築城の際に取り替えられた鯱(しゃちほこ)が無造作に置かれていた。丸岡城再建の歴史(のちに記述)において、貴重な遺物だと思うが、訪れる観光客であまり興味を示す人はいない。
 
イメージ 1
 
ようやく城内へ入る。
 
しかし、どこぞの小学生の団体がやって来て、ゆっくり見学するには最悪の雰囲気となる。ま、私が小学生の時も当然やかましかったのだろうから、とやかくは言えない。
 
城内は展示物がほとんどなくて、建物の構造自体を見学してもらうのが目的となっていた。
 
織田信長らが権威を放っていた時代に築城された丸岡城は、長らく生き延びてきたが、1948年の福井地震で倒壊してしまう。
 
町は、その後再建という方向で話を進めたが、普通ならコンクリート製になってもおかしくないところを、倒壊した建材を再利用して再建したことに意義がある。再建された城とはいえ、建材は築城当時のものなので、それを直に触れることができるのがすばらしい。
 
と、えらそうに述べたが、この史実は城内の見学時に同行のみゃ~氏に教わったことで、私は再建時に建材もろとも、新しくしたものだと勘違いしていたと告白しておく。
 
しかしながら、この貴重な城内を先述の小学生たちはドタバタと走り回る。「こわす気か…」
 
ま、このくらいではビクともしないだろが。
 
あとは順に昇っていく。
 
イメージ 2
 
最上階の3階では、景色を眺めながら、幹事長、みゃ~氏と城談義。
 
城の知識を豊富に持つみゃ~氏に、私は素人同然の質問を浴びせていくが、的確に答えをくれるので、私にとっては有意義な時間となった。
 
城の外出ると、次は歴史民族資料館へ足を運ぶ。
 
さほど大きくない施設だったが、興味を引く展示物が結構あって、ここでも私たちの談義が続いた。
 
展示を見終えると、各地の城跡にある、井戸の痕跡を見るのにハマっているという、みゃ~氏が探訪に行くので付き合う。一部紅葉が見れた公園内を散策すると、もうお昼だ。
 
公園内に土産物店などがある「一筆啓上茶屋」で昼食とする。
 
オープンスタイルの食事処だが、メニューは充実していた。福井にいるならやはり、そばとソースかつ丼だろうと思うと、ちゃんとセットメニューがあった。
 
そのメニュー「福井県人セット」を注文すると、あとは酒だ。残念ながら、食堂にはアルコール類のメニューがなかったので、土産物店でカップ酒「一本義」を購入し、食事に添える。
 
「福井県人セット」は美味しかったが、個人的には腹八分くらいの量で、もの足りなく感じた。しかしながら、食事は腹八分が普通なのだから、私の考えがおかしいとも思えなくもない。
 
食事を終えると、丸岡の町をぶらつく。城下町であったと思われる一帯は、堀も存在していたと古地図に記されていたが、さすがにその面影を見つけるのは難しい。
 
それでも、興味をひく建造物や店舗を見つけて私たちは雑談をし、楽しい食後のひとときを過ごすことができた。そして、「本丸岡」のバス停にたどり着き、丸岡観光を終了とする。
 
この後はバスに乗り込み、福井駅へ戻ったのだった。