多摩川に架かる「六郷橋」を渡って川崎市に入りました。昔は川崎宿として栄えた場所ということですが、今の町自体は、当時を遥かに超える規模で発展していると思います。旧街道沿いに連なる商店街も、おしゃれな雰囲気の店が多く、いくら街道歩きといっても、なんか場違いな場所に来たような気がしたので、さっさと通り過ぎてしまおうと思っていました。

 
ところが、あるビルの一階に「東海道かわさき宿交流館」と書かれたのれんがかかっているのを発見したのです。今回の行程を歩くにあたり、地図以外には特に下調べをしていなかったので、このような施設の存在は知りませんでした。知らずに通り過ぎる可能性もあったので、見つけることが出来て幸運でした。


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館内は入場無料でした。パンフレットを貰って2階に上がると、映像コーナーやジオラマ、解説がコンパクトにまとめられていました。映像ひとつとっても丁寧に作られていますし、ジオラマも見入ってしまうくらいの出来で、「これでホンマにタダでいいのか」と思ったくらいです。先程渡ってきた「六郷橋」が渡船連絡だった時の様子など、興味がある解説がいくつもあったので、じっくり見ていると、ボランティアガイドさんに声を掛けられ、私が街道歩きの最中だと伝えますと、話が盛り上がって、結構な時間滞在する羽目となりました。


 
そして、一番嬉しかったのが、交流館オリジナル発刊の「広重東海道五拾三次」を手に入れられたこと。浮世絵師・歌川広重によって描かれた東海道の宿場町の様子が、コンパクトな冊子にまとめられ、なんと500円。


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街道好きにはたまらないといえる物が、安価で販売されているのが嬉しかったです。
 
そんなこんなで、「東海道かわさき交流館」を出たのは14時を過ぎていました。川崎駅前の市街地を抜けると、ようやく静かな街並みとなって一里塚跡を通過。本来の街道歩きに戻り、先を進みます。


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京急鶴見駅前に到達すると、川崎ほどではなくとも商店街が広がっていました。イベントライブのリハーサルが行われていたりしましたが、全体的にゆったりした雰囲気。メシくらい食べてもよさそうでいたが、中途半端な時間だったため見合わせ。再び、静かな街並みを歩きますと、ガードが見えてきてJR国道駅に到達。
 
「これが国道か…」
 
若い頃、西村京太郎氏の小説を読んでいた際、現金の受け渡しか何かの場面で、国道駅が登場して以来、単純すぎる駅名がインパクトとなって、いつか行ってみたいと思っていた場所でした。


持参している地図には「国道駅のガード下は必見」と書かれています。行ってみると、昼間でも薄暗く、時間がとまっている感じがして、大人だから感じることのできる独特の雰囲気を堪能しました。

 
この時点で、陽はまだ高かったのですが、夜に野球観戦を控えていたため、キリが良いこの場所で終了することにしました。今回は何といっても、川崎で交流館に行けたことが収穫でした。なので、気分も充実していましたし、疲れを感じることもありませんでした。また来年あたりにここに戻って来たいと思います。