自分が幼い頃の写真を見返す。

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自分の足の上に車玩具の車輪を行ったり来たりさせて、ただ喜んでいる。私の人生で一番古い記憶だ。

 

私が生まれたのは、大阪府松原市。府の真ん中付近に位置する中核市である。昨年、商業施設「セブンパーク天美」がオープンして話題になった。

 

その天美地区から西へ進むと、大堀という地名が現れる。道路交通情報でおなじみの「松原ジャンクション」がある場所で、私はこの付近で生まれ育った。

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幼い私を抱いている母が立っているのは、今の松原ジャンクションがある場所だ。当時は工事計画が進み始めた頃で、まだ漠然とした土地だった。

 

松原ジャンクションの北側が大堀4丁目であった。幼い頃の私が写っている場所付近だが、今から5年くらい前に訪れた時は町が消失していた。

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残っていた道から推測すると、大堀4丁目は細い路地を中心としたコンパクトな住宅街だったと思われる。しかし、町のはずれには大堀大橋が架かっていて、大堀地区のメインストリートが通っていた。

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付近の道路拡張工事などで、ルート変更が行われた結果、大堀大橋は目立たぬようになり、大堀
4丁目も孤立してしまった。

 

住宅がなくなった元の町並みは、縁のない人のとってはただの空き地かもしれないが、幼い頃に行き来した私(記憶はない)にとっては哀愁漂う場所になった。一時期、仕事納めの後の年末に通い続け、時には酒の飲みながら物思いにふけっていた。しかし、時は流れて…。

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しばらく行っていなかったら、スーパーマーケットが開業していた。

グーグルマップストリートビューで何となく工事が進められていることには気が付いていたが、こうして現地に立つと、大堀4丁目の町並は、完全に過去のものになったという現実を確認することになった。

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しかしながら、この地が自分の人生の始まりなのは、いつまでも変わらない。またふとした時に帰ってこよう。

今回訪れたのは昨年の年末。私はスーパーに立ち寄り、開業祝いに日用品や正月用の食材などを買い求めたのだった。