初めて備前片上駅に降り立った。以前は大阪方面から直通列車が運行されていたことがあり、備前片上行という表記を見ると、遠い所まで行くの列車があるのだと感心した記憶がある。

 

駅前に出ると工事が行われていた。一瞬駅舎の解体かと思ったが、バスロータリー新設工事らしい。個性的な字体の表記がある駅舎は古いが味がある。末永く生き残ってほしいと思う。


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西へ向かって歩き出す。心地よい気候だ。備前市歴史民俗資料館に出くわす。行きたい欲にかられるが、入ると時間を要すことが目に見えている。今回は別の目的で片上に来たのだから、次の機会とする。

 

ここから住宅街へ入り、街道紀行となる。穏やかな町並みだが、その中で備前市役所の立派な建物が目立つ。


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町の掲示板に「ひなめぐり」イベントのポスターが貼ってあった。年をとると伝統文化にも興味を持つようになり、ひな人形もその中の一つだ。しかし、さっきの資料館のように時間を取られるといけないので、このイベントも通過することになるだろうと思われた。しかし、しばらく歩いて到達した「宇佐八幡宮」の境内を見てその考えは崩れ去った。

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「うわぁ~」と思わず声を発するほどだ。こんなひな飾りを見るのは初めてである。私は取りつかれたように境内へ入り、石段を上がって行った。この石段は結構急勾配で足元に注意しないと危ない。よくぞこんな所に人形を並べたものである。

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この「石段ひな飾り」は地元で有名らしく、アマチュアカメラマンがカメラを向けている。また家族連れも続々とやって来ており、子供たちも斬新な展示に目を輝かせていた。なんとも微笑ましい光景に私も心が和む。

 

粋なイベントを開催している備前の町に来て良かったと思った瞬間であった。