浜原駅周辺の散策ののち、たどり着いたのは、朝から歩きまわった地域(美郷町)の中心にある粕淵駅でした。


 
ウィキペディアからの抜粋になりますが、粕淵駅の建物は商工会館と併用されているとのことで、実際に行ってみますと、公共施設の中に駅がある感じです。通常なら、列車の発着がない時間でも町の業務に携わる職員などがいて、駅はそれなりの役目をはたしているのでしょうが、日曜日の今日は人の気配はありません。きれいな建物ですし、休憩できるスペースもあったのですが、浜原駅界隈でさんざん休息をしたので、町歩きに出かけることにそました。


 
駅前の道へ出て、少し坂を上っていくと、道沿いは商店や住宅が多く立ち並び、町の中心部へ向かっていることがわかります。都市部のような高層建築物がないので、コンパクトシティのような感じです。

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歩き続けていくと、この日初めてとなるコンビニ(山陰地区にあるローソン・ポプラ共同店)を発見。今回は特に買い物はしませんでしたが、三江線沿線の貴重な食料確保の場所として、チェックしておきました。


 
歩いている途中にあった町の案内図では、粕渕は石見銀山街道の宿場町だったそうで、幕末時にあった本陣の建物が現存しているとのこと。その建物は現在「亀游亭」という旅館として営業しており、見に行ってみました。


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静かな町に溶け込む建物の前に立っていると、ここだけ昔から時間が止まっている気がしてきます。夜に訪れたら、もっと雰囲気を味わえるかもしれないと思いました。



 その後、気の向くまま周囲を歩いて、駅前通りへ戻りました。町を周った感想はとにかく静かだったに尽きますね。役所がある町の休日の雰囲気はこんなものだろうなとも思うので、寂しい町という感じではなかったのですが。



 粕淵駅へ戻りましたが、三江線の発車時刻までまだ1時間少しあるので、一駅歩こうと江の川沿いの小道を歩きます。川を渡る三江線の鉄橋を眺めていると、この風景も過去のものになるのかと、寂しい気分が沸いてきました。




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道に三江線の線路が寄り添ってくると、廃止後の線路跡がどのように変化するのか想像しながらの歩きとなります。


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途中、変則的なコンクリート橋もあり、これはどうなるのかと判断が難しい場所もありました。そして、歩き始めて50分くらいで、明塚駅に到着。


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駅には誰もいないだろうと思っていましたが、数人のファンがカメラ片手に周囲をうろうろしており、列車がやって来るんだろうなと直感。自分の乗る江津方面の列車時刻しか頭に入れていなかったので、時刻表を見てみると、三次行がまもなく到着することがわかりました。

 
やって来た三次行は一両で、車内は通勤ラッシュ並みの混雑でした。車内の様子に驚いていると、私の乗る江津行もこんな様子だったらどうしようと不安がよぎります。ドキドキしながら列車を待ちましたが、やがてやって来た江津行は普段通りの乗車率でした。


 
最初はロングシートに座っていましたが、先客が下車したのをきっかけに、この旅初めてのボックスシートへ。ようやく、本来のローカル線の旅にたどり着けた感じです。私はとても嬉しくなり、夕暮れ近い車窓を眺めながら、車内でのひとときを過ごしたのでした。


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今回の行動を振り返って、改めて「もっと三江線に通うべきだった」と痛感しました。


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何を今さらという意見は重々承知していますが、廃止まで最低もう一回は乗りに来たいと思い、江津駅で三江線の旅を終えたのでした。