温暖化で、桜の開花が年々早まっている。今年も全国各地で、観測史上最も早い開花を迎えたというニュースが伝えられる中、今年も美作飯岡(岡山県久米郡美咲町)へ行ってきた。

飯岡は、県東部を流れる岡山三大河川の一つ、吉井川と支流となる吉野川の合流地域にある町。背後には戦国時代の山城跡がある鷲山がそびえていて、風光明媚な景色が広がっている。この地に1991年まで片上鉄道の美作飯岡駅が存在していた。

廃線になった片上鉄道の跡はサイクリングロードになり、サイクリストが多く訪れているが、美作飯岡駅跡はサイクリングロードから外れたため、整備もされずにひっそりしている。

ホーム跡に生える木々は廃駅後32年が経ち、すっかり巨木と化した。本来主役だった桜の木は年々、存在感が薄れていく様子だったが、今年はタイミングよく満開の姿を見せてくれた。

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片上鉄道の撮影に奔走していた若い頃、私は仲間と一緒に美作飯岡駅に数回訪れているが、列車ばかり撮影していて、駅の内部を撮影していなかった。今となっては、それが悔やまれる。しかし、何年か前に今日と同じように花見をしていると、この駅から通学していたという高齢の女性に話しかけられて、思い出話を伺う貴重な機会があった。

その内容を思い浮かべながら、今日はビール片手に思いを馳せたのだった。

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