「柵原ふれあい鉱山公園」から吉井川を渡った対岸に藤原集落があります。柵原鉱山の最盛期にはこの地に多くの従業員が暮らしていて活気にあふれていたそうです。


 現在は県道26号線に並行する道沿いに町が形成されています。この道は津山城へ至る街道の名残りでもあり、伊能忠敬の地図にも地名が記されています。街道として、そして鉱山最盛期としての繁栄から時が流れ、今藤原集落は静かな佇まいとなっていました。



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 旧街道をしばらく歩いて南下すると八幡神社があります。境内は広く、常夜燈の年月を見ると「明和」「文政」とあるので、200年以上前に建立されたことが分かります。八幡神社は、藤原集落をはじめとする周辺地域の氏神とされているそうで、境内の広さが歴史の深みを物語っているように感じられました。



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 境内に立っていると、かすかに片鉄保存運転の警笛が聞こえました。今日の天気は穏やかで、時には日差しが照り付けるくらいの陽気だったのですが、雑木林の中の境内は少しひんやりするくらいの涼しさでした。歴史の重みを感じながらの散策は充実した時間でした。

 


参考文献

〇『柵原散策』片山 薫著 岡山文庫発行