知床遊覧船の事故以来、全国の観光地の遊覧船の観光利用が伸び悩んでいると知った。この件で私の頭に浮かんだのは浦富海岸の遊覧船のことだった。

 

昨年の4月、私は浦富海岸自然歩道を歩いた。自然歩道は険しい道のりだったが、時折目にした海岸線の美しさは目を見張った。その海岸線を行く遊覧船を目撃した時、率直に乗ってみたいと思った。次回の浦富観光は遊覧船に乗ることを心に誓ったのである。

 

次回というのは曖昧で、来年かもしれないし、数年後になるかもしれないところだったが、今回の事態がきっかけを与えてくれた。朝一の「スーパーはくと」と路線バスを乗り継いで、遊覧船のりばに着いたのはお昼前だった。

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1230分発の切符を購入し、しばらく待機ののち、乗船の運びとなった。乗船前の待合場所は賑わっていたような気がしたが、いざ乗船してみると、私以外にカップル3組と親子連れ1組という寂しさであった。

 

それでも出航すると、そんな寂しさは忘れた。遠目に見る岩礁も美しく、見とれていたら遊覧船はどんどん、岩礁へ近づいていく。

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海面はマリンブルーで透きとおっており、船は岩礁すれすれを通っていることが分かる。相当な操船技術である。

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周りの乗船客も景色に見入っていて、撮影に夢中になっており、退屈そうな表情をしている人は誰もいない。自然が作り出した地形の美しさを改めて感じた瞬間であった。

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40分間の乗船時間はあっという間だったが、もうちょっと見たかったというくらいで帰るほうが間延びしなくて良いのかもしれない。

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浦富遊覧のリピーターになること確実で、私は満足して陸に上がった。

 

これからは、美しい景色を純粋に眺める観光をしていこうと思った今回の行動。遊覧船という事業が生き残ることを切に願うのだった。