天候が悪いので、今日はどういった行程を組もうかと「サンダーバード」の車内で地図を見続けていたら、乗り物酔いになってしまった。乗り継いだ北陸新幹線でも気分は優れず、どんよりとしたまま糸魚川駅に降り立つ。
大糸線ホームで、キハ120型と久しぶりに対面する。
この車両は10:31分発でさっそく車内へ入ると、誰もいなかった。
悪天候の上に、コロナ禍である。流動的にも乗客が少ない時間帯なので、誰も乗ってこないと判断し、迷惑にならないだろうと缶チューハイのフタを開けた。すると、若いカップルがやって来て、私の座っているボックス席の通路を隔てた反対側に座った。何も酒を飲もうとしているオッサンの近くに座らなくても良いのにと思うが、2人だけの世界に浸っているカップルにとって、周囲のことには目が入らないのだろう。
このカップルは、熱心に地図を見ながら会話していたので、旅行者と見て間違いないようだ。どういったルートをたどるのか興味深いが、北陸新幹線のおかげで、首都圏や関西から糸魚川へはアクセスがしやすくなった。おそらく、大糸線をたどりながら松本方面へ向かうと思われる。
発車後、車窓に目を凝らすと、姫川の背後に高い山々の残雪が見えた。
乗り物酔いも治まってきたので、車窓を肴に飲むチューハイがしみる。列車は、やがて姫川渓谷の中へ進んで行くのであった。