酒田駅の改札では、利用客が列車の運行状況を聞いていました。私もそこに加わります。
「あのぉ~、日本海はどうなってます?」
「え~、15分くらいの遅れですね」
運行されていることにホッとしたものの、ここ(酒田駅)に15分遅れのまま、やっては来ないだろうと思いました。
とりあえず街歩きと思いましたが、外は相変わらずの台風並みの強風で、それどころじゃない天候。
鶴岡駅で酒を見送っていたため、体内アルコールが切れかかっていましたし、腹も空きました。
呑み屋へ直行しました。駅前の某店ののれんをくぐります。
「一人でもいいですか?」
快く迎えて頂き、まずは熱燗(酒田の地酒・初孫)を注文しました。
「はぁ~、たまらん」
普段の地元の生活では、自宅呑みがほとんどで、呑み屋へ行くことがないため、こういうシチュエーションは、旅に出ている時だけの特権です。これが私の旅の目的の一つともいえます。
酒を口にして、一息つき、店のお勧めのモツ煮込みなどを注文しましたが、なかなか料理が出てきません。
関西人なら「まだぁ~」と、とっくになっているところですが、「日本海」の発車時刻は0時過ぎなので、時間はたっぷりあります。
この店で、時間を多く過ごせたら都合も良いので、待たされるのは気になりませんでしたが、腹は空いて空いて…。
「忘れてるのちゃうか」と思い始めたころ、料理が出されました。待たされた甲斐もあって、美味しかったです、モツ煮込み。
店に入った時は、あまり慣れ慣れしくしないで、静かに酒をちびちびやっていましたが、店内のテレビが、宮根さんのアナウンサーNG集みたいな番組を映していて、私は、つい自宅にいる感覚でゲラゲラ笑っていると、女将さんも一緒に笑っていました。
それをきっかけに女将さんや、若主人といろいろ話すことになりました。
若主人は酒田南高校出身だということで、昨夏の甲子園大会の話(私はその試合を観戦していました)とかをしました。
また、私が関西人ということで、大阪のことを尋ねられます。
「ガールズバーって、いっぱいあるんですか?」
酒田でも、メッセ黒田ネタが広がってるの?と感心しつつ、呼び込みはいっぱい居ますなどと、返答しておきます。
女将さんに、酒を一杯サービスして頂いたりして、結局、店で3時間近くも過ごし、楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
いい気分で、店を出たのは23時をまわっていましたが、「日本海」の発車までは、まだ時間があるため、私は、フラフラとぶらつき始めました。
つづく。