京都府八幡市から「東高野街道」を歩き続けている。今までの行程を振り返るとこうなる。

 

  20177月 石清水八幡宮→JR星田駅 

  201812JR星田駅→近鉄瓢箪山駅

 

そして今回、なんばパークスシネマで早朝シネマを見たあと、後の1日は街道歩きに充てるため瓢箪山駅にやって来た。

 

瓢箪山駅前に広がる商店街からしばらくは、狭い路地に車と自転車、そして歩行者と往来が激しく、歩道もないのでとても歩きづらかった。昔の賑わいの名残を感じる光景でもあったが、その賑わいも落ち着いた頃、縄手中学校横に埋蔵文化センターなる建物に遭遇。興味をそそられたが、やはり昨今の事情で休館中であった。

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そのまま南下し、「サンドラック六万寺店」が現れた場所からバス停沿いに細い路地が伸びている。

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この道は車道に変化しなかった旧街道であり、今回最初のハイライトになる。瓢箪山商店街からざわついた感じで歩いてきたので、ようやく落ち着いた時間を過ごすことになった。しかし、この旧道は
300ⅿほどで終了してしまう。

 

東大阪市から八尾市に変わる場所辺りになると人通りも穏やかになり、旧国道らしい平凡な2車線の道路がしばらく続く。歩道もあり歩きやすいのだが、単調でもある。気分転換にグミを食べたり、「万代楽音寺店」でトイレを拝借したりして、黙々と進んだ。

 

昼が近くになり、腹も減ってくるが、飲食店はバイパスに集中しているし、野外でのんびり食事をしたいと考えているため、そういった場所はこちらの道沿いには見当たらない。早くビールが飲みたいなあと思いながら進むと、近鉄信貴線の築堤が現れた。今回の行程のペースの目安になる場所であり、時計を見ると歩き始めて1時間くらいが経過していた。


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辺りの風景から、これからも単調な行程が続くだろうと半分諦めムードで進んでいたところ、「天理教高安大協会」付近から道幅が狭くなり、思わず声を発してしまう。久しぶりの街道風情に気分が高鳴る。そして改めて地図検索してみると、近くに「垣内公園」なる場所を発見。すると、丁度良いことに「セブンイレブン八尾垣内3丁目店」があることが解り、昼食用食材を購入することにした。

 

コンビニを出るとさっそく公園へ向かったが、地図を検索しているというのに方向音痴を露呈し、買い物袋を下げながら墓地内を横切る有様。恥ずかしい思いをしながら垣内公園に到着し、食事タイムとする。しばらくすると地元の高校生らしき若者が公園内に現れ、私の前でミニ野球を始めた。

 

少し落ち着かない光景になったが、彼らはビール片手の私に話しかけてくるような人懐こい連中で、彼らの掛け声をバックに新聞を読みながら長い休憩時間を過ごした。1時間程の滞在ですっかりダラダラモードになったが、出発することにして腰を上げると「さよなら!」と若者たちがわざわざ挨拶をくれ、私は嬉しくなって手を挙げてその場を離れた。

 

次に到達したのは「恩智(おんぢ)」。歌唱音痴から食材会社の社名「おんち」という流れをくみ、地名だけは以前から知っていたが、実際に訪れたのは今回が初めてである。歴史が深い町らしく、その名残で街道沿いも古い建物が多い。今回は先を急ぐため、雰囲気を味わっただけであったが、機会をみて散策したい町であった。

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恩智を過ぎると、街道は整備された2車線道となった。そうこうしているうちに八尾市から柏原市に入った。

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辺りにぶどうの看板がいくつかあり、柏原市はぶどうが名産だとこの時初めて知った。街道歩きをしているとこういった発見はとても大事で、現地へ行ったことによる思い出は知識として跳ね返るし、ここの先の機会で名産を購入きっかけにもなるからだ。

 

瓢箪山駅を出発して約4時間。15時になる頃、柏原市安堂の大和川堤防上に到達した。行程を終了するならこの場所だなと思っていたので、予想通りになって満足であった。東高野街道歩き3回目で大和川を見ることになり、はるばる来たなぁと感慨深い。しかし、このまま高野山を目指そうとなると、行程の半分にも満たない。

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まだまだ先は長いなと思いながら、帰路につくため近鉄柏原南口へ向かったのだった。