酒田市立資料館を出て、中通りと呼ばれる道の商店街を歩いた。酒田大火から復興した現在の姿だ。

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ある店舗らしき場所で若者たちが行列をつくっている。何事かと注視するが、発端となる事象はわからずじまいだった。

 

「無印あるんやぁ」と流行ストアの進出に感心するも、反対側の商業施設らしき建物のドアには「閉店しました」と張り紙があった。灯を落とした施設内の居酒屋が寂しさを漂わせている。ここは、大火のあと、商店街のシンボルとして営業していた「マリーン5清水屋」だった所だ。715日に閉店したらしい。



地元密着の百貨店だったが、業績不振で商店街のシンボルとしての役目を終えた。このような何十年か前に建設された駅周辺の大きな箱物が、全国で閉鎖されている。時代の流れによる都市開発の難しさを痛感するが、そういった意味では、駅前の「ミライニ」の今後が気になるところだ。

 

商店街を抜け、しばらく歩くと「日和山公園」に着く。港町・酒田を体感できる場所だが、江戸時代に大坂や江戸に向けた航路があった風景とは変わってしまっている。

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ただ、現代風・工場景色と開けた視界は景色として悪くない。そして、眼下に何本かの線路群を見つける。貨物の酒田港駅が健在なのはうれしい。

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この酒田港駅周辺では、
1983年にテレビドラマ「西部警察」のロケが敢行された。



貨物列車からミサイルが発射されるのを阻止するという、ハチャメチャなストーリーだったが、実際に列車を動かして撮影して爆破シーンもあった。当時の石原プロの勢いはすさまじかった。

 

こうやって港の歴史を振り返り、昭和の刑事ドラマも思い出し、鉄道趣味も楽しんだ日和山公園界隈だった。

 

酒田駅へ戻る途中、これも昭和っぽい建造物を発見する。

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住宅街にあったこの建物は、酒田に遊郭があった流れをくむものだろうが、個人的な思い出もよみがえる。今から
20年くらい前、私も色欲でお金を散財していたのだ。あの頃は無茶なお金の使い方をしていたので、途中でよく踏みとどまったと思う。こういった場所は、それなりの収入があってこその人が行く場所だと今は肝に銘じている。

 

こうやって、久しぶりの酒田さんぽは幕を閉じたのだった。