初めて見る芦ノ湖周辺のたたずまいにキョロキョロしながら、先へ進む。
 
 
一里塚があった。
 
 
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「リアル一里塚」に感激した一つ前の「畑宿」以来であるが、この間に体験した道中のキツさを思うと、あそこから4キロしか進んでないことが意外に思える。
 
 
ここからは、街道が整備された江戸時代から現存する杉並木道を通る。
 
 
昔から今まで人々の往来を見続けた木々を見ていると、いろいろな想像が搔き立てられる。石畳道も良かったが、こちらも素晴らしい。
 
 
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これらの木々は、何もせずにここまで成長したのではない。
 
 
環境の変化による虫害などで、生命の危機にさらされたこともあったらしいが、地元の方々が苦心されてこのような状態に保たれている。
 
 
杉並木を過ぎると、いよいよ「箱根関所」に到達する。これまでの道中は、あまり寄り道せずに進んできたが、さすがにここを通過する訳にはいかない。
 
 
大体、昔は関所を素通りするなんてあり得ないことだったのだから、それを考えると、観光施設であれ、関所に挑むことが筋であろう。
 
 
箱根関所は、資料館と復元された建物との構成になっており、先ずは資料館を見る。
 
 
パンフレットによると、主に関所は「江戸に入る武器類と、江戸から出てゆく女性を監視する」のが役割だったそうで、箱根関所は特に女性の取り締まりに厳しい場所だったとある。
 
 
なので、関所を通る女性は厳しく尋問されたらしく、その尋問役に「人見女」という役人がいて、地元の老婆がその任務にあたっていたらしい。
 
 
妄想と想像が、頭がよぎる…。
 
 
うさんくさい女性は別として、外見は清楚で何ら問題がないのに、ちょっとしたことを秘密にしている女性が、人見女にネチネチと尋問される姿を…。
 
 
でも、これは過大描写ではない。
 
 
なぜなら、人見女の尋問を控えた女性が、「不安でたまらない」といった書を残しているのが展示されていたからだ。
 
 
そして、後は何といっても「関所破り」だ。
 
 
関所破りは、大都会や西部警察などの刑事ドラマでよく見た「検問突破」に相通じるものがあり、興味が沸く。
 
 
関所破りをするとどうなるのかというと、ほとんどが死罪。それも磔にされたり、塩漬けにされたり、今では考えられない処刑方法が図と共に解説されている。
 
 
何とも残酷であるが、刀が猛威をふるっていた当時としては特別ではなかったのだろう。
 
 
これらの展示を見て回ったが、他の観光客も結構、興味津々で展示をみており、有りがちな騒々しさがなかったのは良かった。
 
 
資料館を出ると、次に復元された箱根関所へ向ったのだった。