Songs to Remember / Scritti Politti
- Scritti Politti
- Songs to Remember
柔らかい過激派,とでも言っておこうか。
80年代初頭までのイギリスの音楽シーンは,本当に色んなタイプの音楽を生んだ。パンクロックの登場によって1度ゼロまで戻ったのが良かったのだろう。しかし,パンクと同じことをやっていてはまた同じことの繰返し。そんな中で思想的に大きな影響を持ったのがポストモダーン,というかポスト構造主義というかそういうの。共産主義の幻想が壊れ始め,資本主義は私達を幸せにしてくれない。そんな時代でもあったのだろう。
Scritti Polittiのこのアルバムは,白人が黒人音楽にどう影響を受けるべきかの答えの一つとなる優れた作品だ。黒人音楽というのは,基本的に宗教色が強い。しかもキリスト教だ(もちろん例外は多い)。そんな中で新しい価値観を探して黒人音楽(ここではソウル)を換骨堕胎し,ポストモダーンの価値観で再構築したものがScritti Polittiの1stだ。この真っ白なジャケットを見るが良い。
「Jacques Derrida」(フランスを代表する,というか20世紀を代表するポスト構造主義者の1人)なんてもろな曲もあるのがちょっと露骨過ぎてどうかと思う時期もあったけど,はやりこれが最高傑作でしょう。
- Scritti Politti
- Early
↑1st以前のシングルの音源を集めたCD。初期はもっと過激だった。こちらも最高。
このバンドも,変遷を辿ると面白いバンドです。活動30年弱でアルバムが5枚しかないですけど。