2024年6月18日

落語芸術協会真打昇進、襲名披露興行@池袋演芸場


披露興行もいよいよ大詰め。新真打の主任もあと一日づつを残すのみ。18日は雨花師匠主任の千穐楽。「雨花」の披露らしく(?)、五月一日の大初日が雨、そして千穐楽も雨…それでも場内はまずまずの入り。





一、笹野権三〜海賊退治 若之丞(開口一番)

伯山門下の前座は初遭遇。良くも悪くも師匠のコピー。個性発揮はこれから。今いちさんから時間をもらったのか普段の開口一番より少し長めに読んだ。

(あらすじはこちら)



一、英会話 今いち

一、活動大写真 坂本頼光

「石川五右衛門の法事(1930年・昭和5年)」

サイレント末期の渡辺篤主演のドタバタ喜劇。

一、道灌 圓満

一、たいこ腹 南なん

今回の披露興行で新真打以外で最大の収穫は南なん師の高座に触れたこと。こんなにうまい人だとは思わなかった。普通とは逆の意味で見損なった。あまり独演会とかはやらない師匠なので、芸協の芝居をチェックして折りに触れ高座に触れたいと思う。この日の「たいこ腹」も上々吉。

一、ヴァイオリン漫談 マグナム小林

一、お見立て 雷蔵

一、親子酒 文治


お仲入り


一、口上

(下手より)圓満(司会)、雷蔵、雨花、金太郎、伯知、南なん、紅、文治

※桂南楽さんのXよりお借りしました

一、南総里見八犬伝〜犬塚信乃の生立ち 伯知

常陸(茨城県)結城の結城合戦に端を発する「南総里見八犬伝」から、池袋のお隣大塚村を舞台とする八犬士筆頭の犬塚信乃の生立ち。

(あらすじは画像をご参照ください)

一、熊の皮 金太郎

一、お富與三郎〜木更津から玄冶店 紅

歌舞伎の名狂言「與話情浮名横櫛」お富與三郎の出会い〜木更津の惨劇から玄冶店のお富の妾宅に切られ与三が訪れるところまで。読み終わりに「しがねえ恋の情けが仇〜」の名セリフをサービス。鮮やかな口跡に場内大喝采「音羽屋!」の声も飛んだ。

(あらすじはこちら)



一、太神楽曲芸 ボンボンブラザース

一、水神 雨花

落語界初のシングルマザー噺家としてようやく真打にたどり着いた雨花師匠。池袋の楽はやはり思うところあったのだろう。子を失った母烏の精と妻に先立たれ乳呑児を残された屋根職人の奇縁を描く「水神」。母烏の精が身の上を語るところで「七つの子」を口ずさむところでホロッときた。披露興行の主任席としてはいささか地味な噺だが、シングルマザー真打の披露目の締めくくりとしてはこれでいいと思う。


御祝儀代わりに手拭いを購入。あっしは辰年なのでこの手拭いは大事に使いたい。