2024年4月8日
りさらくご月曜昼席@住吉鈴座Cafe


今年1月オープンの新しい演芸ライヴスペースに初見参。住吉駅から5分ほど、あそか病院の真ん前、近くには今話題の伊勢ケ濱部屋があります。キャパはギチ詰めて50人くらい。今は亡きテイトの旧店より少し広い感じかな。
今回は雛菊、遊七、あんこの出演の「レディース三人会」。つる子昇進披露、林家木久扇笑点卒業/新メンバー登場と話題豊富な中、三名ともマクラ沢山で盛り上がりました。中でも雛菊さんの弾けっぷりがスゴかった。いや〜、弾けてましたね。



一、たいこ腹 雛菊
完全同期の小ふねを筆頭にだいえい、ごはんつぶ、黒酒、菊正、杏寿と話題の二つ目を輩出している2017年入門組の雛菊さん、明るい高座は前から好感だったが、二度のコロナ感染を経て何か吹っ切れたように弾け出した。
「国宝は友達なんです」という一言からもう弾けまくってます。1月の道楽亭初席のときから結構弾けていたので、たい平師ではないが「何かあったのか?」と逆に心配になるくらいの弾けっぷり。昇進披露興行の裏話をたっぷり語って本編へ。
マクラが弾けていると本編で急に大人しくなっちゃう…てなことがよくあるが、今回は本編も弾けていた。一八は客が若旦那と聞くとお座敷の襖を開けるまで半泣きで嫌がっているが、襖を開けた瞬間「恐怖のスーパーヨイショマシーン」に豹変する。若旦那は若旦那で一八に鍼を打とうとする姿はほとんどサイコパス。

一、お血脈 遊七
落協二人の間に挟まれて、ほぼアウェイ状態だったが、遊七さんはマイペース。長野の落語会に出たついでに立ち寄った善光寺の話をマクラに「お血脈」。入れごとは最小限で落ち着いた高座。安定感は定評があるが、前の雛菊さんが弾けまくっていたのでやや受け。もう少し派手な爆笑ネタやフラが楽しい与太郎噺の方がよかったかも。

一、お見立て(余興:南京玉すだれ) あんこ
つる子昇進披露で番頭を務めるあんこさん、披露宴の余興(浅草のサンバ隊が場内を踊り回った)が大盛り上がりで、国宝以下の長老、幹部の師匠方から絶賛の嵐。一方同時昇進のわん丈の披露宴の余興も同じサンバ隊だったが、ダンサーの半分が男だったため微妙な空気に。続けて昨日(7日)の末広亭、ほとんどの芸人が披露興行そっちのけで楽屋のテレビに釘付けだったらしい。結局立川晴の輔になったが、「BS笑点」でアシスタントを務めるあんこさんは実は収録の時点で知っていた。しかし例によって箝口令になっていたので知らんぷりで押し通したが、オンエア前に女性自身のウェブ版がすっぱ抜いてしまったので、ウェブに詳しい師匠方だけ冷めていた。
と、二つの話題に触れるマクラをたっぷり語って、本編へ。これもほとんど基本通りの「お見立て」だが、今日の出演者中唯一芸歴10年ということで、さすがに語り口の安定感は群を抜いていました。変な小賢しさがないおおらかな高座はいよいよお父さん(時蔵師)に似てきました。見るたびにお父さんに似てきたあんこさんは実は同じ林家でもしん平門下。しかししん平師の風はほとんどなく、年々歳々お父さんに近づいているのはこれぞまさしく「お血脈」。
サゲたあとに余興に一昨年の1月末広亭余一会でも披露した南京玉すだれ。南京玉すだれは今は奇術師の持ち芸になっていて、あんこさんはなんと斯界の長老アサダ二世師に教わったとのこと。


一、エンディングトーク 遊七・あんこ・雛菊
あんこさんの余興からアサダ二世師の話題。南京玉すだれ(ちゃんと揚げの稽古もあったらしい)は奇術の道具と同様師匠から買ったとのことで、市販のすだれではできない(何らかのタネがあるらしい)。続いて雛菊さんの前座時代の失敗談。見習い時代師匠宅ではジャージで働いていたが楽屋入り後にジャージで楽屋に行って怒られた話など。遊七さんは終始聞き役だったが、五月からの芸協の昇進披露が目前に迫っているので、番頭の話は大いに参考になったとのこと。