2024年2月22日
講談協会二ツ目時代@お江戸両国亭
小の月22日に講談協会の二つ目の会が始まりました。毎回二つ目が持ち回りで番頭となって出演者のキャスティングや構成を担当します(番頭はトリを務めます)。今回は貞奈さんの担当。


前講 木村又蔵鎧の着逃げ 貞司
来月二つ目に昇進する貞司さんは、1978年12月生まれの現在45歳、41歳で入門した講談協会の前座最年長のオールドルーキー。来月の昇進に備えて前講ながら「木村又蔵鎧の着逃げ」を一段きっちり読み切りました。オールドルーキーということですでに二つ目の貫目が備わっていて昇進後の進境に期待です。


一、老農舩津傅次平(上毛かるたより) 一記
群馬県出身ということで、群馬県民なら誰でも知ってる上毛かるたに謳われた上州の偉人伝を造っていますが「今日は中でも一番地味な偉人のお話を…」ということで、幕末から明治にかけて篤農家として農事技術の改良に尽力「明治の三老農」の一人として駒場農学校(後の東大農学部)の教官として実習田(井の頭線駒場東大前駅付近の車窓から見える)の開墾に携わり、内務卿大久保利通の要請で巡回教師として全国を回って農事改良を指導した舩津傅次平の物語を大久保との交流を軸に仕上げました。


一、本多静六伝 伊織
一記さんは農学の偉人でしたが私は林学の偉人のお話です…ということで、駒場農学校が発展した東京農林学校在学中にドイツに留学して博士号を取得、後に日本初の林学博士の一人となった本多静六の物語を伊織さんの端正な語り口で静六のドイツ留学の苦労譚を中心に。




一、義士こぼれ話〜踊場の由来 こなぎ
「今日は2月22日…猫の日なんだけど誰も猫のお話をやらないので、私は猫にちなんだ不思議なお話を…」ということで、東海道戸塚宿に伝わる「猫の踊り場」伝説に赤穂義士の早水藤左衛門を絡めた「義士こぼれ話」。
(「猫の踊り場」伝説については画像をご参照ください)


一、太閤記〜長短槍試合 いちか
来月の「伝承の会」で読む「維納の辻音楽師」のお稽古で大阪に行っていた。中にヴァイオリンを弾く場面があり、ヴァイオリンの構えが決まらず苦労してます。というボヤきから、今日は貞奈さん仕切りの会で、私は軽いお話を…ということで、手慣れた「長短槍試合」


一、細川茶碗屋敷の由来 貞奈
今回は出られる人全員に声をかけたので、持ち時間とかいろいろ大変だった、予約が伸び悩んで入りが心配だったけど、みんながご贔屓に声をかけていただいてまずまずの入りになってホッとしました…というマクラから、落語「井戸の茶碗」の原話の「細川茶碗屋敷の由来」へ。
以前聴いた「細川の茶碗屋敷」とはまた少し違い、河村が渡した井戸茶碗を細川公は買い上げずに河村に差し戻し、登城のとき芸州公に事の次第を話し、冤罪が晴れる。茶碗は改めて細川公に進呈され、それが時の老中田沼意次に渡り、茶碗の返礼に一軒の屋敷を賜り、後に「細川の茶碗屋敷」とよばれるようになった…という筋立て。