2024年2月2日
➀講談協会定席津の守講談会@荒木町舞台「津の守」
前講1、三方ヶ原軍記 山兎
前講2、源平盛衰記〜一ノ谷組討・敦盛最期(青葉の笛) おりびあ
前講3、大久保彦左衛門〜木村の梅 貞司
前講1の山兎さんは先月初高座を務めたばかりの一番新しい前座。入門も昨年10月ということで、本を見ながらの「三方ヶ原」、前講3の貞司さんは今春二つ目昇進ということで前講ではあるが「木村の梅」を一段きっちり読み切った。
一、水戸黄門漫遊記〜二本松小町 こなぎ
ご老公が二本松に向かう途中追い剥ぎに遭い身ぐるみ剥がれて下帯一丁にされたのを助けた武芸者は、元二本松の城士で剣術指南役への婿入りを賭けた指南役の娘との試合に敗れ、諸国を修業行脚しての帰り道だった。ご老公は武芸者の後押しとして二本松城へ乗り込み、御前試合として武芸者と娘の再戦を見届ける…
「仙台の鬼夫婦」と同工異曲のような寓話。
一、国定忠治伝〜忠治山形屋 山緑
「赤城山」と並ぶ国定忠治伝のクライマックスで、新国劇の辰巳柳太郎の十八番の名狂言はあっしも新国劇で何度も観た(その後継者の大山勝己のも観た)。山緑先生は三尺物を売り物とする神田の流れということで、忠治が頬被りを取って正体を明かしての啖呵は見事でした。上々吉。
お仲入り
一、青砥藤綱〜裸川の由来 貞橘(織音代演)
有名な寓話だが、貞橘氏のテンションが低く、正直ピンと来なかった。この人、この会にはあまり乗り気ではないようで、出た時はいつも変なボヤきから入る。前回出た時の見送りの塩対応で正直見損なった経験があり、客に「嫌なら出なきゃいいのに」と思わせてしまうのは本人としてもこの会としても損だと思うのだが如何に。
一、赤穂義士本伝:刃傷松の廊下〜内匠頭切腹 貞心
義士伝の原点といえる刃傷と内匠頭切腹のドラマ。脇坂淡路守と並び義士本伝前半の儲け役である多門伝八郎の内匠頭への憐憫、切腹の座に赴く内匠頭と片岡源五右衛門の別れの悲哀、「風誘ふ〜」の辞世を詠み従容と切腹の座に就く内匠頭…一つ一つの場面が悉く胸に迫る。若手の躍動感もいいが、やはり大先生の情味あふれる義士伝は格別です(書くまでもないとは思いますが、あらすじは画像をご参照ください)。
➁律歌・はな平寄席噺研究会@落語協会(黒門亭)
同時真打昇進の律歌・はな平の両師がかつて両国でやっていた「トリ噺研究会」を、定席出演時の標準的な持ち時間に合わせた噺を勉強する「寄席噺研究会」にリニューアル。二人で15分サイズを二席づつで一時間。勤め帰りにちょっと聴いていくにはちょうどいい会だと思うのだが、いかんせん宣伝不足で今日もなんと観客2名😢
一、松山鏡 律歌
一、マキシム・ド・のん兵衛(作:三遊亭白鳥) 律歌
律花師はこの会ではしばらく演っていなかった噺(今回は「松山鏡」)と比較的よく演る噺(今回は「マキシム〜」)を演っています。たしかに「マキシム」に比べ「松山鏡」は習った通りの未整理なところが見受けられた。
一、ぞろぞろ はな平
一、短命 はな平
この人、見るたびに師匠に似てくる。「まさか隠し子?」と思うくらい似ている。身のこなしとかもホントの子息(たま平・ぽん平)より似ている。「ぞろぞろ」は久しぶりに聴いたが、こういう噺をたくさん持っていると寄席の出番が増えるし、こういう噺を大事にする人はやはり寄席からも重宝されるし、いいことだと思います。「短命」では仕方話が入ったり工夫も見られました。