元日からの初席ラッシュも一段落、ようやく2023年の回顧です。
➀落語真打部門
第5位:源平盛衰記/快楽亭ブラック(9月17日、快楽亭ブラック大毒演会「ブラックの神髄」@新宿道楽亭)
第4位:鶴満寺/桂雀々(3月20日、しのばず寄席@お江戸上野広小路亭)
第3位:三枚起請/三遊亭遊雀(1月25日、初笑い!三遊亭遊雀独演会@ミュージックテイト西新宿)
第2位:地獄八景亡者戯/古今亭菊太楼(9月30日、古今亭菊太楼独演会「二丁目十四番地」@新宿道楽亭)
第1位:らくだ(全)/三遊亭遊雀(2月23日、しのばず寄席@お江戸上野広小路亭)
遊雀師の高座はどれも絶品なので、いっそ全部遊雀師にしちゃおうかとも思ったが、他にも印象的な高座もいっぱいあったので、第3位と第1位に中でも圧巻だった二席を挙げた。


➁落語二つ目・若手部門
第5位:精霊馬/立川志ら鈴(8月25日、第369回新鋭女流花便り寄席@お江戸上野広小路亭)
第4位:死神/立川寸志(1月20日、寸志の立川流第1回@お江戸日本橋亭)
第3位:大工調べ(全)/春風亭かけ橋(1月11日、第396回すがも巣ごもり寄席@西巣鴨スタジオフォー)
第2位:不動坊火焔/立川寸志(9月20日、立川寸志トリ噺五十席其の二@日本橋アートスペース兜座)
第1位:錦木検校/笑福亭べ瓶(9月24日、巣鴨で文鹿その7 文鹿・べ瓶ふたり会@西巣鴨スタジオフォー)
こちらも寸志さん一色になりそうだったが、べ瓶さんの「錦木検校」の衝撃が強烈だったのでこちらが第1位に。


③講釈真打部門
第5位:秋色桜/日向ひまわり(3月20日、しのばず寄席@お江戸上野広小路亭)
第4位:四谷怪談「お岩の死〜伊藤喜兵衛の死」/神田蘭(8月25日、第369回新鋭女流花便り寄席@お江戸上野広小路亭)
第3位:浪花俠客伝〜木津の勘助/神田春陽(3月25日、巣鴨で文鹿その5 神田春陽・桂文鹿ふたり会)
第2位:名工列伝〜細川の肉付きの面/宝井琴調(9月13日、講談協会クラファン応援講談会第三回@新宿道楽亭)
第1位:大工の勘助(雪の夜話)/宝井琴梅(10月2日、講談協会定席津の守講談会@荒木町舞台「津の守」)
後半に講談協会の会で幹部級の先生の高座に多く接したが、やはり琴梅・琴調の御両所の高座が群を抜いていた。


④講釈二つ目部門
第5位:出世浄瑠璃/田辺いちか(10月2日、講談協会定席津の守講談会@荒木町舞台「津の守」)
第4位:慶安太平記〜楠木不伝闇討ち/神田松麻呂(4月17日、第8回四派五年未満@ミュージックテイト西新宿)
第3位:浪花俠客伝〜奴の小万/神田こなぎ(9月13日、講談協会クラファン応援講談会夜席第二回@神田連雀亭)
第2位:怪談牡丹灯籠〜お札貼り/田辺いちか(10月1日、Wonder Woman's Works vol.8@高田ばばん場)
第1位:大岡政談〜黒雲のお辰/田辺いちか(9月13日、講談協会クラファン応援講談会第三回@新宿道楽亭)
とにかくいちかに始まりいちかに終わった一年でした。その中で「脱伯山化」に乗り出した松麻呂さんの進境が目立ちました。


年間MVP
真打:
三遊亭遊雀
22年の顔面神経麻痺から回復、定席トリ芝居、独演会、定席助演とフル回転の大活躍。
宝井琴調
講談協会会長としてクラウドファンディング、津の守講談会と次々に新機軸を打ち出して悉く成功に導いた。そのバイタリティに脱帽。
若手・二つ目:
笑福亭べ瓶
とにかく9月の「錦木検校」。この一席だけで年間MVP確定。
田辺いちか
若手講釈師では男女を通して安定感抜群。古典に新作に大活躍。その勢いは2024年も引き続く。