2024年1月2・3日
講談協会若手初席@神田連雀亭
講談協会の初席は、三が日は荒木町津の守で昼席、夜は元日が木馬亭、二日・三日が連雀亭で
若手初席になりました。
3日からは元日の能登半島大地震の義援金募金が始まりました。講談協会は小世帯ゆえかこういう時非常にフットワーク軽いですね。

2日


一、三方ヶ原軍記 蓮陽(前講)
「二つ目の定席」連雀亭では前座が出ることは極めて異例ですが、釈場の吉例として前講の三方ヶ原からスタート。

一、樋口四角兵衛 一記
今回は一記・いちか、こなぎ・あおいとダブル姉妹会になりました。二つ目昇進直後ということでまだまだ硬い語り口ですが、群馬県前橋出身ということで、これから注目して聴いていきたいです。
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一、井伊直人(仙台の鬼夫婦) いちか
「仙台の鬼夫婦」として神田紅先生の代名詞となったことで神田女流の読み物というイメージが強いですが、今回初めて神田以外の女性演者で聴きました。いちかさんは姿勢がいいのでお貞さんがキリッとしていて、また直人が改心して修業に打ち込むさまも鮮やか。結末が「寛永御前試合」につながるところが神田の「仙台の鬼夫婦」と違うところ。
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一、出世証文 こなぎ
「浪花俠客伝」など上方ルーツの読み物を数多く手掛けているこなぎさん。今回も大阪で商売に失敗し、女房にも逃げられた淡路屋喜三郎が、江戸で奉公を転々とする中で上方風の練羊羹の作り方を思いつき、成功して大阪時代の負債を清算、女房にも恵まれて江戸を代表する菓子屋に出世する…という正月らしいお目出度い逸話を。
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一、あやめ人形 あおい
今回の若手初席は、連雀亭レギュラーの二つ目に連雀亭OGの真打がトリとして加わります。左甚五郎の若き日の出世と悲恋の物語「あやめ人形」を前座名「あやめ」のあおい先生が丁寧に、また鮮やかに読み上げて御令刻。
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3日


一、三方ヶ原軍記 魁星(前講)
一、柳沢昇進録〜お歌合せ 貞奈
二つ目昇進以来、勉強会で「柳沢昇進録」の連続読みに取り組んでいる貞奈さん、今回は小姓時代の柳沢が組頭に代わって臨んだ歌合せをきっかけに出世の糸口を摑む発端の「お歌合せ」を。
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一、山内一豊(出世の馬揃え) 凌天
「普段は新作講談を読ませて頂いてますが、初席は一年の口明けなので、初心に戻って古典を一席」ということで「山内一豊 出世の馬揃え」。多分好きな読み物なのでしょう。千代さんが健気で可愛い上々吉。
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一、雪の夜話 梅湯
春に真打昇進、四代目宝井琴凌襲名を控えた梅湯さん。来年のこの会にはOBとして高座に上がるのでしょう。
「冬の夜話」は昨年10月の津の守で師匠琴梅先生で聴きました(絶品でした)。今回図らずも聴き比べになりましたが、師匠譲りの爽やかな江戸ことばで江戸っ子の心意気をじっくり読み上げます。
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一、源平盛衰記〜扇の的 琴鶴
連雀亭発足当時に番頭だったという琴鶴先生「しばらく来なかったから道忘れちゃった」といいつつ、「この釈台は当時の二つ目が力と金を出し合って作りました。懐かしいな」と思い出話から初席らしく「扇の的」で締めくくりました。
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