2022年6月28日
落語ガールズ定期公演@落語くらぶ(ミュージックテイト西新宿店)

6月は2回とも律花師トリ。さながら真打披露月間の趣。それに応えて律花師も熱演。今回は急に暑くなったので納涼系の噺も出ました。
一、皿屋敷 つくし
珍しく古典の「皿屋敷」。最初に皿屋敷に行くのが瓦版屋の姉妹で、皿屋敷の幽霊を瓦版にしたのが評判になり…という展開以外はほとんど基本通り(サゲも同じ)。もっとハチャメチャにするかと思いきや意外なほど端正な高座。つくし師も真打昇進もうすぐ10年。モデルチェンジかな?

一、熊の皮 花ごめ
最近YouTubeのゲーム実況動画にハマっている。ホラー系RPGの実況動画はドラマみたいで自分はゲームやらないのに面白い…という本編と全く繋がりがない近況報告マクラから「熊の皮」へ。前半の甚兵衛さんの女房がSMの女王様みたいで怖さすら感じる。わずかながらマクラとつながったwww。「熊の皮」は普通に演ると艶笑だが、花ごめ版では先生が「それは尻に敷くものだ」と言うので、「え、尻に敷くもの?尻に敷く…あ、」という感じでサゲになる。

お仲入り

一、金魚の芸者 律花
初めて遭遇した噺
金魚屋が金魚が桶から跳ね出したのに気付かず行ってしまい、通りかかった魚屋が空の岡持に水を張っていたので、金魚を拾って持ち帰り、小庭の池に放すと水が合ったのかきれいな金魚に育つ。ある日夢枕に金魚が美しい芸者の姿になって現れ、助けてもらった恩返しに来た、というところで目が覚める。すると翌朝夢枕に立ったのと同じ娘が訪ねて来て…という「茄子娘」と「元犬」が合体したようなファンタジー噺。恩返し物なので白鳥作品かと思ったら古典で律花師は小満ん師に習ったとのこと。思えば圓歌一門は二代目以来新作と並んで「坊主の遊び」「羽織の遊び」「紋三郎稲荷」など珍しい古典の継承を売り物にしているので、こうした珍しい噺を演ると無類の楽しみがあります。夏らしい、また風子さんの「茄子娘」同様いい売り物だと思います。