普通の休日
俺は普通の男だ。
普通に趣味がある。
そんな俺が、昨日は波乗りに行ってきた。
俺にとっては普通の休日だ。
サーファーの朝は早い。
4:30に先輩の家に迎えに行く。
街はまだ寝ているので、静かに出発進行だ。
俺には普通に波乗り仲間がいる。
いつものように高速道路のパーキングにいくと、仲間が8人待っていた。
合計10人で海へ。
まぁ、普通だ。
サーフィン仲間には、古くからの友人もいれば数年前に知合った人もいる。
男性ばかりでなく女性も大勢いる。
女性の仲間とも酒を飲むし、先週は男女6名づつで旅行にも行った。
だが、間違いは起こらない。
好みじゃないわけでなく、男と女の垣根を越えた仲間だからだ。
俺はフェミニストではないが、鬼畜でもない。
まぁ、普通だ。
しかし、酒の席で女性と良い雰囲気になったら、狼にならない自信がない。
これも、健康な男なら普通だ。
朝の海は気持ちが良い。
この雰囲気は数百回味わっているが、飽きない。
景色に感動できる豊かな心を持っているとは言わないが、少しは自然を愛でることができる。
ただ、俺は人工物に感動しない。
クリスマスのイルミネーションなど、全くバカバカしいとさえ思える。
そんな偽物に資源を浪費するのは愚の骨頂だ。
波は残念ながら小さい。
牙をむくような大波が好きなわけではないが、多少大きくないと面白くないのがサーフィンだ。
ただ、俺には楽しい仲間がいる。
波が期待ハズレでも、仲間と楽しむ波乗りは格別だ。
結局、3時間半も海に入りっぱなしだった。
これも、俺にとっては普通だ。
一時的だが、なかなか良い波もあった。
この日は深いボトムターンを心がけていたから、テイクオフから思い切りボトムに降りる。
大きな弧を描き、一気に波のトップに向かう。
いつもなら普通に板を返すところだが、数少ない良い波を堪能するため板を返した後に更にねじ込んだ。
カーヴィングという技だ。
普通のリッピングより、こっちの方がキレイな丸いスプレーが飛ぶ。
その後もリップ・カッティと技を入れられ、計4発。
そんな良い波も数本あった。
良いリップアクションをすると、仲間が褒めてくれる。
「ヒューヒュー」と声というより音に近い称賛を浴びる。
それに俺は手を上げて答える。
仲間は本当に大切な存在だ。
幸いなことに、俺にも大勢の大切な人がいる。
誰にでも数人はいるだろう。
普通のことだが、普通以上に感謝している。
海水温はまだ温かいが、外は寒かった。
晴れていても風は冬の匂いだ。
俺たちは、体を温めるため日当りの良いテラスがあるレストランに行った。
俺はビールが好きだ。
飲み物の中で一番好きだ。
だが、今日は運転だから飲めない。
俺にも普通のモラルがある。
波乗りの後の食事は最高だ。
仲間がいれば料理はなんでも良い。
笑いがメインディッシュだ。
良い休日だった。
自宅に帰って昼寝もしたし、夕食のチーズフォンデュとステーキも美味しく食べた。
昼間飲めなかったビールも飲んだ。
もう不満はない。
俺は普段5時間前後しか寝ないが、今日は10時間も寝てしまった。
昼寝したにもかかわらず熟睡できた。
何故なら、俺は体力も普通だからだ。
