前略、ロッド・スチュワート様
残念ながら、今回の来日公演には諸々の事情で、行くことが出来ませんでした。
ここのところ、邦楽ばっかり聴いていた僕ですが、なぜか最近誰のアルバムを聴いてもシックリ来なくって、正直困っていました
そんな日が続いた今朝、何気なく見ていた朝の情報バラエティー番組の、天気予報コーナーで流れてくるBGMを聴いて、僕は「ンッ」となったのです
それは、あなたの曲「This Old Heart Of Mine」でした
僕は、ウオークマンの曲を大幅に入れ替えて、あなたのアルバムを6枚転送して、ウオーキングの間も、家にいるときも繰り返し聴きつづけました
そして、大切なものを忘れかけていた自分に気が付いたのです
「自由な心を忘れるな、守りに入るんじゃない。 人生なんて所詮“ ゲーム ”さ、シリアスになりすぎちゃいけない、クールに行こうぜ」あなたはシャウトする
そう、僕が歌っていた頃、いつもあなたが目標だった
でも神様は、あなたが賜ったような「黄金の風邪引き声」とも言われる素晴らしい才能を僕には与えてくれませんでした
もし、悪魔が現れて「あなたのような声をあげよう」って言ったら、魂だろうがなんだろうが差し出したでしょう
アハハ、思い出した、僕にとって最後のバンドが解散したあと、しばらくの間僕は自身のことを「ロッド・スチュワートになれなかった男」って嘯いていたっけ
前回の来日公演、大阪城ホールでのことを思い出します。 僕は2階の最前列にいましたが、あなたが真っ赤なスーツで登場したときの興奮は今でも忘れられません
僕は、その歳になって、あんな真っ赤なスーツをあそこまで格好良く着こなす人を他に知りません
やはりあなたは、真のスーパースターなのですね
思えば、あなたの曲との最初の出会いは学生のとき、連れが“ 飲み会 ”の席に持ってきたソロ6枚目のアルバム「アトランティック・クロッシング」でした
あのアルバムの1曲目「Three Time Loser」で僕は1発でノックアウトされたのです
あなたが、ブルージーな調子で歌い上げる“ どうしょうも無いダメ男 ”の物語
格好悪いはずが、なぜか凄く格好良く聞こえてしまう不思議・・・
それから、僕は“ 中古CD屋 ”巡りをしてあなたのアルバムを買いあさりました
ジェフベック・グループ時代からフェイセズの頃の、ブルースを追及していた曲達
そして、ソロになってからのアルバム
あなたが世界中のファンから「軽薄だ。 売れれば何でもいいのか」とバッシングを受けたアルバム「スーパースターはブロンドがお好き」も、一流ミュージシャンのチョッとしたお遊びのパフォーマンスだと思っています
僕にあなたの曲を教えてくれた連れは「ロッドはなんと言っても“ マギー・メイ ”が最高だ」と言っていたのに、僕はピンと来なかったのです
でも、ここ数年、いつしか少年の心を忘れそうな歳になって、初めてあの、少年の「葛藤」を綴った曲の良さがわかってきました
今では“ 1番 ”・・・・・かな?
では、ますますのご活躍をお祈りいたします