いつもと何一つ変わらない帰り道
偶然だったのか、たまたま目に飛び込んできたからなのかはわからないけれど、あれは必然だったのかもしれないと今は思う
陽が落ちていく中、様々な色で彩られていく綺麗な夕焼け
そして、ほんのわずかなときに訪れる、金色に輝く雲
色鮮やかに彩られていく空と、輝く雲の中を自由に横切っていく金色の飛行機雲
「あぁ、素敵な風景だ」
そう思った瞬間に、ふとある人の顔が頭に浮かんだ
素敵な笑顔の人
まるで太陽のように明るく朗らかで、周りの人を温かく包み込んでくれる
そして、絶えずたくさんの人が集まってくる
そんな女神のような人
あの人と別れたのも、こんな夕焼けが綺麗なときだった
最後の言葉は、またね、ではなくて、さようなら、だった
もう会うことはない
会うことはできない
うまく笑顔でさようならを言えただろうか
涙見せずに、別れることができただろうか
僕の中でのさようならは、さようならば仕方ない、という名残惜しい意味合いより、永遠に会うことができないかもしれない、という時に使うことが多い
だから人生の中で、さようならを言える人は、初めましてを言える人より少ないかもしれない
もしできることなら、さようならを言う機会は少ないほうがいい
そう思うようになったのはいつ頃からだっただろう
夕焼けが綺麗に見える時間は限られていて、運良く見ることが出来る時とどうしても見られない時がある
だから、今日は多分ものすごく運が良くて、あの笑顔を思い出せたのだから、もっともっとすごく運が良かったのだと思う
一日一日のどこかに必ず良いことは埋もれていて、それは時々ひょっこりと頭を出して見つけてくれるのを待っているのかもしれない
だから、今日も、明日も、明後日も、明々後日も……
またね、また会おうね
出会った人たちに、そう言って笑顔で別れたい
またね
また会おうね