おじいさんが突然衝撃の告白をした日の話。
「うちのばーさん逃げやがったんだよ」
「えっ?」
3人は固まった。おじいさんはそこから身の上話を炸裂させた。
「ばーさんは俺の話をいつも聞いてくれたんだ。どんな時もどんなことも話したし、ばーさんはいもニコニコ聞いていた。言うことも聞いていたし優しかったのに、ある日突然俺の言うことを聞かなくなったんだよ。いやだって口にするようになった。今までだってあったんだよ、そういうこと。」
「おばーさんがいやだって言った時おじいさんはどうしたの?」
とピッピが聞いた。
「そりゃあ、うんって言わせるよ。嘘ついてでも言うことを聞かせなきゃ、俺が困るからさ。それにばーさんは最後は絶対に言うこと聞いてくれるからな。だから今回だって言うことを聞くと思っていたんだよ。なのに裏切って家を出て行ったんだよ。ひどいと思わないか?」
「誤解なんだよ。ばーさんは誤解しているんだ。俺がこんなに困っているのに言うことを聞かないなんてさ、全く何もわかっていないよな」
キキはギョッとした。隣でお茶を淹れているネネの手が震えていたのだ。
「ネネ、私が淹れるね」
とキキが言うとネネは小さく頷いた。
そしてキキはおじいさんに向かって言った。
「おばーさんはいつもおじいさんの言うことを聞いてくれていたんだよね?そのおばーさんが出で行くってことは余程のことがあったんじゃないのかな‥」
「はぁ?何でばーさんの味方なんだよ💢」
おじいさんは話の途中で怒り出した。
キキも黙っていなかった。
「味方とかじゃないでしょ?そうやっておじいさんが自分は100%正しいって態度でいるからおばーさんは言いたいことが言えなかったんじゃないの💢」
おじいさんはそんなはずない、俺はばーさんの話を聞いていたし、言いたいことがあればその時に言えばよかったじゃんとボソボソ言った。
「言いたいことがあっても言えない状況をおじいさんが作っていたんじゃないの?大切な人にわかってもらえないことがどんなに辛いことかわかる?話を聞いてもらえないことが、誤魔化されることが、心に傷を作るんだよ。」
キキは泣きながら言葉を選び選びおじいさんに伝えた。どうか届いて!!そんな祈りを込めるように。
おじいさんは黙ってしまった。
ネネは探しのお茶をおじいさんに差し出した。
「おじいさん、話を聞かせてくれてありがとう。おじいさんとおばあさんの間に何があったのかはわからないけど、出て行ったおばあさんの気持ちはわかる気がする。きっとおじいさんのことを愛しているから出て行ったの。おじいさんをこれ以上失望したくなかったから。おばあさんはおじいさんが嘘をついていたことも誤魔化して言うことをきかせていたことも全部わかっていたんじゃないかな。いやだって言った時のおじいさんがどんな言葉でどんな形相でおばあさんを追い詰めていたか考えたことありますか?
おばあさん、きっと心で泣いていたと思います。おばーさんにそばにいてほしいなら、向き合わないと、自分自身とね。」
おじいさんはしばらく黙りこんだ後に言った。
「キキ、すまなかった」
「それは大切な人に言ってあげて」
キキが返した。
「また来てもいいかい?」
おじいさんは言った。3人は同時に
「もちろん!!」
私たちがお手伝いできるのはおじいさんが自分自身と向き合えるようにおじいさんが気づいていないことを伝えたり、励ますところまで。
自分と向き合うこともおばあさんとの未来もおじいさんにしか選べないこと。
おじいさんの明日が今日より幸せでありますように。そしておばあさんの未来が温かく優しいものでありますように。
その日おじいさんが飲んだお茶たち 探しのお茶、叫びのお茶、微笑みのお茶
次回予告
EP2
-FAKE LOVE-
高校生の
お兄さんのお話
📸素敵なお写真はお借りしました。ありがとうございます



