7人はとてもうれしそうに沢山の荷物を担いでやってきた。



「そろそろこれが必要かなと思って」




小さい子たちとピッピは荷物を開け始めた。

「このカップかわいい」

「これは何に使うの?」



ネネは3人で話したことを7人に聞かせた。

大きい人が言った。




「ネネは自分自身と沢山お話が出来たんだね。」



「うん。自分が心から望んでいることを見つけたの。私がみんなにしてもらったように今度は私がトトやカカが自分自身とお話する機会を作りたいの。」

 


7人はとても優しく微笑んだ。

そしてみんなが聞いてきた。




「ネネはカカに謝ってほしかったんだよね?」

「トトとカカと前みたいに冒険に行くのが夢じゃなかったの?」

「ネネはカカを許せないままなんだよね?」

「また傷つくかもしれないよ?」

「やっとここまで元気になったのに‥」




ネネは答えた。




「みんなが温めてくれて導いてくれたから私は”私”を見つけることができたよ。

私は愛を信じられなくなってしまったけれど、

それは私が愛し方を間違えていたからだと気づいたの。どうたらいいかわからないままだし、答えも見つかっていない。でも答えは一人では出せないみたい。トトの本心、カカの本心を理解できた時に私は海に出逢えるのだと思う。




ネネは話をしながら自分の答えが心の奥から溢れ出す感覚に涙が出た。


それを見たキキとピッピはネネを抱きしめた。

そして7人の救世主たちは3人を包み込むように温めてくれた。




しばらくして落ち着くと大きい人が言った。



「3人が始めるお店は、トトとカカ以外の人も立ち寄れる所にしてはどうかな?」


「どういうこと?」

ピッピが聞いた。




「癒しを求める人を温められる場所を作るんだ。 温かいお茶を出してゆっくり飲んでもらう。飲み終える頃には悲しみや痛みが和らいでいる。悲しみに支配された人が癒しを求めた時にここへ導かれる。そんなところがあったらいいんじゃないかな?」




3人は温かい気持ちになった。



「やりたい!!」

「やってみたいね」

「やろうよ!!」








その後10人はメニューを決めたり、お店の色塗りや直しをしたり大忙しだった。ピッピと小さい子たちはケンカと仲直りに忙しかった。ある時4人がまるまってお昼寝をしていた。





「寝てる時は可愛いね~」

「天使みたいだね~」

「寝ているうちに仕事をしちゃおうよ」


 






お店は森の中にいるような木と草花に囲まれた内装になった。厨房からは店内全体が見渡せるようにした。入口はアーチ状の木の扉。うんうん、いい感じ。




メニューはお茶とお菓子。お菓子はその日に思いつたものを作ることにした。お茶は7人が担いできた中に沢山あった。10人で色々なお茶を飲んでみた。甘いもの、苦いもの、複雑なもの、飲むと眠たくなるやつに笑いたくなるやつ等変わったお茶もあった。それぞれが3つずつ選ぶことにした。



最も票を集めたのは”癒しのお茶”だった。これを飲むとネネを助けにきた時に7人が温めてくれる時と同じような温かさが心に流れ込むのだ。


次は”眠りのお茶”。これは飲み干してから3時間後位に眠りを誘うピークがやってくる。飲む時間を気をつけなければならないが、ここを訪れる人にはまずは休んでほしいとみんなが思ったから。他はバラバラで面白かった。

 


泣くことが罪だと思っている人に飲んでほしい”涙のお茶” 

手元に鍵があるのに気づかない人に飲んでほしい”探しのお茶”

扉を開けることに怯えている人の背中を温かくする”開きのお茶”

ありのままの自分を抱きしめる必要がある人に飲んでほしい”愛しのお茶”

無駄に怒りを抱えている人に飲んでほしい”鎮まりのお茶”

勇気を出したい時に飲んでほしい”元気玉茶”

助けて!!が言えない人に飲んでほしい”叫びのお茶”

素直になりたい時に飲んでほしい”微笑みのお茶”

小さい子たちが選んだ面白いお茶たち。

1時間汽車と同じ速さで走れる”ポッポ茶”

好きな動物に2時間変身できる”なりきり茶”

ぎゅーってしてほしい人にしてもらえる”くっつき茶”

子供が大人に変身できる”おとな茶”(変身時間は1時間)

大人が子供に戻れる”こども茶”(変身時間は2時間)

 



どれも魅力的でみんなが選んだお茶を全部メニューに載せることにした。お店の名前は7人の中の一番小さい子が決めた。



お店の名前を7人とネネとキキで1文字ずつ書くことにした。そして看板の色をピッピが選んで塗った。



「そろそろ帰ろうか」

「そうだね」

「ここまで準備すれば心配ないもんね」


7人が立ち上がった。ネネとキキ、ピッピの心を急に寂しさが支配し始めた。それを感じた7人は片手を少しだけあげていつものように微笑みながら温めてくれた。



「大丈夫だよ。自分の力でここまで来れたんだから出来るよ!!」


そう言って扉の外へ出て行った。最後に大きな人が言った。



「トトとカカ、それから他にもこのお店を知らせる案内状を送りたい人たちがいるんだ。僕が案内状を送ってもいいかな?」



「うん。お願いしてもいいの?」

「もちろんだよ。それが僕たちからのプレゼント。素敵な案内状を作るね。必ず来てもらえるように。」

 

 














次回予告 


Ampanman

📸素敵なお写真はお借りしました。ありがとうございました。