ここはパープル共和国。

そこにはとても仲の良い3人の幼馴染カカ、ネネ、トトがいた。

 

 

一番上のカカは物知りで話術の達人、達人だけあって誤魔化すのもうまいんだ。

時にはハッタリをかまして3人のピンチを切り抜けたりもした。ネネはとにかく我慢強い。

カカとトトの我儘をいつも聞いて自分のことは後回し。

トトは誰にでも優しくてみんなから可愛がられる子。

3人はいつも一緒だった。冒険も沢山した。ケンカもいっぱいした。

でもネネがいれば必ず仲直りができた。

ネネは二人の荷物を代わりに背負ってくれた。

カカもトトもネネが当たり前のように代わりに背負ってくれるから、

まだ大丈夫、まだ大丈夫と荷物を渡し続けた。

 

 

ネネは「重いよー。このままじゃ倒れちゃうよー」と二人に何度も言ったけど、

その言葉は届かなかった。

ネネの身体と心は押し潰されるところまできていた。

 

ある日、トトが新しいお友達とパーティを開くと言い出した。ネネは驚いた。

だってトトは当分パーティは開かないって言っていたんだ。

それにパーティを開くには約束を守らなければならない。

それなのに‥。いつもならトトを優先するけど自分の気持ちを伝えてみた。

 

「今、すっごくすっごく疲れているの。パーティはもう少し先にしない?それに約束したよね?パーティを開く時の約束を」友達が今がいいってすっごくやりたがっているからと言い聞く耳を持たないトト。

 

ネネはこれ以上歩けないくらい荷物を背負っていたので勇気を振り絞って気持ちを伝えてみた。

 

「私がつらいって

言ったら信じてくれる?」

 

パーティがやりたくて仕方がないトトにはネネの言葉が届かなかった。

ネネはカカに相談した。カカは言った。

 

「私もそう思う。パーティは先にするのがいい。約束は守らないとね」

ネネは安心して涙がでた。ネネはトトを大切に思っていたので手紙を書いてカカに

届けてもらうことにした。




トトへ

 

私はトトが大好きだよ。

約束したよね?今はパーティが出来ないって。

そしたらトトは「年を取ってもパーティがやりたかったらその時にやるつもりだよ」

そう言ったよね?

それにネネは本当にもう歩けないんだよ。

だからどうしてもパーティがやりたいならやればいい。でもネネはそこには行けないよ。

ごめんね、トト。

 

 

でも信じてほしい。辛くて怖いんだ。

 

 

 ネネより

 


 

カカはネネの手紙をトトに渡さなかった。

そしてトトに頼まれてカカはパーティの準備をしていたのだった。

カカもトトもネネは最後にはわがままを聞いてくれると信じていた。

トトは予定通りパーティを開いた。ネネの大切な友達も沢山呼ばれた。

 

パーティに来た人たちが言った。「どうしてネネがいないの?」

カカが答えた。「ネネは絶対に来ると思ったのに。トトはネネにきてほしかったのに。」

その言葉を聞いた友達は「ネネはいい人じゃなかったんだね」

「トトがかわいそう」と言い出した。それを聞いていたトトはみんなに向かって叫んだ。

「ネネは大切な人だから悪く言わないで!!」

それを聞いた友達は呟いた。

「あんなに大切に思っているのに。ネネはひどいやつだ」

 

 

 

 

数日後パーティに出た友達がネネを訪ねてきた。

ネネは友達が会いに来てくれたことが嬉しくて辛い気持ちを話そうとしたら、

友達が先に話し出した。

 

「パーティに出ないなんてネネは悪いやつだ。トトが可哀想だよ。

どうしてトトを悲しませるの?ネネがパーティを開いても絶対に行かないからね💢」

 

とカンカンに怒って帰って行った。ネネは一人ぼっちになった気がした。

どうして誰も私の話を聞いてくれないの?約束を破ったのはトトだよ?

どうしてトトが可哀想なの?

ネネは今まで背負っていた荷物を全部下ろして泣き出した。

泣いても泣いても涙は止まらなかった。

 

 

 

 

「涙の海を産んじゃったね。」

ネネに温かみのある声で話しかけてきた人がいた。

 

「私はキキ。私も涙の海を産んだことがあるの。だからあなたの悲しみの深さがわかるよ。」

 

そう言って抱きしめてくれた。

そしてキキはこの涙を幸せに変える方法を知っている人がいると言った。

キキはその人たちから方法を教えて貰い、今は修行中とのこと。

 

「会ってみる?」

「うん」

 

助けて~って心の中で叫ぶと、光に包まれた。

そして7人の救世主が現れた。

 










 

次回予告

”7人の救世主”


📸素敵なお写真はお借りしました。ありがとうございます。