シマノが12Sになってしばらく経ちますね。

実は私と繋がっている、お強い方々には、12Sの評価はとっくにしています。


今回は、その評価と、何をしたか?を説明します。


今回の9200シリーズの変更は、ディスクブレーキの対応です。正直、12S化はおまけです。


まず、ディスクブレーキなんですが、容量が足りて無いんですよ。


そりゃそうです。よく考えてたら、リムブレーキってディスクローター径は最大なんですよ。しかもダブルディスク相当です。


それから比べ、ディスクローターは小さすぎなんです。


せめてフロントダブルにすべきなんでが…。


ようやくピナレロ勢も山岳でもディスクブレーキにしましたが。軽さを求めてと言うより、ディスクローターの歪みが許さなかったって事が大きいです。故に9200になったから変更したんです。でなければ、リムで良かったんですから。


特にプロツアーの山岳はブレーキがキツイですね。日本型のヒルクライムとは違い登りっぱなしでは無いですから、まぁ歪みますね。ワンレースオンリー仕様です。


東京オリンピックの時も、上位は皆歪んで酷かったです。(コレを実際に見たのは私くらいかな?w)


この歪み、ローターとパッドがブレーキをかけたなくとも接触してしまうので、実は寛容出来ないんですよ。


ここを9200シリーズはどう対処したか?ですね。


それは、歪むなら、その歪み分があっても、パッドに接触しないだけの隙間を作れば良いんじゃね?って言う、誤魔化しで逃げました。


根本処置ではなく、誤魔化しです。


ローター容量が足りて無いのだから、根本は、ローター径を上げるか?ダブルにするか?なんですよ。


で、これをやった事により、そのあとの疑問に繋がります。


キャリパーの隙間を広げたんですから、当然、ピストンもより多く出ます。

そして、出したら戻さないといけません。この戻り…戻すのに必要なのは、マスター容量なんです。(キャリパーのシールリップでも戻してますが、微々たるもの)


マスターのピストンの戻りの負圧でキャリパー側の戻りが決まります。この戻り、実はタッチにも関わる重要な事なんです。戻りが悪いとタッチも悪いんです。フニャフニャなタッチは戻り不足なんですよ。

これ、リムブレーキの戻りバネを外すとわかるんですが、とても剛性の無いブレーキタッチになります。それほど戻りって重要です。


さて、戻りを良くするには、マスター容量の増加が不可欠です。で、シマノは、機械式のシフト部を全て無くしてスペースを確保し、マスター容量を上げました。


コレが機械式が無くなった理由です。


で、リムブレーキ側は残してもよかったんですが、どうせそんなに売れないので、一緒でいいか?ってなりますよね。カンパ買ってくれって事です。


あ、因みにカンパはシマノが筆頭株主ですよ。

なので、カンパが売れるとシマノは喜びますね。


全てはディスクローター容量不足から来てますね。そしてそれは根本処置ではないって事です。


どのみち、9100のマスター容量は足りて無かったし、9200も足りているとは思って無いので、まだまだですが…。


後は、フロント・リヤメカ部、はカンパ寄りになりましたね。


シマノってメカの戻りってバネ力で戻していたんですよ。これって制御は簡単に出来る反面、引き上げ時のスピードはバネ力に抵抗しなければいけないので、下がるんです。


ここをバネ戻りにしなくなったって事で、スピードアップさせてます。シフトスピードが上がったのはこのためです。


そして、STIこそ無線にしたが、その他は有線のままも、非常に良いですね。


これ、SRAMが失敗している所です。


SRAMがフロントシングル化しようとしているのは、このためですね。


電池容量不足なんですよ。アレ。


引き上げるチカラ不足。あの小さい電池では無理なんです。


この先もシマノはフロントダブルで!って事を示唆しています。


どっちが良いか?はプロ見たらわかりますかね。

SRAMは既に市販は使えないって言われ、専用品を作る羽目になってますから、、、。


この先何枚になろうとも、ダブルの方が良いんですよ。そして多段になればなるほどシンクロシフトが生きると思います。(私なら欲しいですよ。リヤ多段、フロントダブルのシンクロシフト。)


例えば、14と15Tの間14.5Tとかって欲しいなってあるんですよ。シフトアップするにはちょっとって時ね。フロントメカももう少し改良して、損差ないフロントダブルなら、可能なんですよ。ちょこちょこフロント変速すれば、いけるんです。

多段16速とかでもすごく使えそうなんですけどね。


話しは逸れましたが、9200シリーズ。


基本は、海外のニーズに応えたカタチですね。グラベルロード側のニーズは大きいです、海外は。


なので、12Sはロー側を増やしたカタチです。

ワイドリムも、実はそこなんですよ!グラベルで走るのに太いタイヤが良いなぁ〜って事です。


海外はそこまで道路事情良くないですから、かなりグラベルも走ります。日本はロードは舗装路だけみたいな風潮ですが、海外は案外グラベルロードなんですよ。ここに向けたのが9200シリーズですね。

グラベルロードでも良いよ!!って事です。


シマノは16速まで特許持ってますから、その気になればなんですよ。ただ今後のネタ切れにならないようにしてますよね。今回、デュラだけ13Sで差別化してもよかったんですけどね。あの価格ならそのくらいして欲しかったです。



総評。


パワメは相変わらずですね。パイオニアを引き取ってどうかな?と思いましたが、そこは今まで通りで良かったと思います。


ディスクブレーキは、ちょっとですね。放熱板付けたりしてますが、そもそも4P止めは歪むので辞めた方が良いと思います。6Pや8Pくらいまで増やして、少なくともセミフローティング化すればとか思います。


キャリパーはモノブロックと言っても、流石にアノサイズで完璧なモノブロックは作れないですよね。片側から突き抜けて塞いでます。それなら、モノブロックである必要は無いんじゃね?と思います。


あえてダブルピストンにこだわる必要もないかな?とも思うんです。シングルの方がマスターサイズ的に有利なので、シングルでも良かったのにと思いますが、調整不用のメンテナンスフリー化をしようとしていると思われます。(シングルピストンだと調整は必要ですから)


ローターは、ちょっとダメですね。カンパの方が良いデザインしてます。

4P留は、歪みます。 軽さを求めて4Pなのだろうが、結果歪み対策で放熱板付けるってさ、本末転倒。 ピンの数が多ければ多いほど歪みは抑制されるので、放熱版よりはマシだと思う。個人的には6P留あたりがベストかな?セミフローにして欲しいですね。


STIに関して言えば、機械式を無くす英断は正しい。が、この先どうするか?はまた別な回答となりそう。そのうち私的推測を披露したい。


12S化はオマケですね。少なくとも、14SまでSRAM を突き放しても良かったと思う。 私がヒルクライム好きなら、絶対に12Sにはしないと思います。


こんな感じかなぁ。