なるしまでMAVIC の試乗会が有ったので、私的ホイール論。
お借りしたのは、コスミック・プロ・カーボンUST。ハイトは40mm。
はじめに前後、後半は前のみ。
全く欲しいホイールでは無い。予備知識も無しの状態で乗った。
結論は、面白いが、合わない。この合わないは私がです。
剛性の高いホイールが良いホイールと思う人は、まるでわかって居ない。
もし、高剛性を望むなら、スポークなど辞めるべきだし、キャストホイールにすべきだ。スポークホイールなどゴミに近いだろう。
スポークホイールにしていると言う事は、ある程度の柔らかさが無いとダメって事だろう。でなければ、キャストホイールにすべきだ。
スポークホイールに望むモノは、サスペンション機構の役目である。
ロードではフレーム側でその機構があると言うのは?だ。細かなセットアップを出来ない。フレームは買ったらそのままだ。特に前後のバランスや微妙なショック吸収機能の調整は出来ない。
微妙なセットアップは、タイヤ、空気圧、ホイールテンションによるところが大きいと思う。
確かにハンドルやサドルなどもその傾向はあるが、やっぱり吊し状態のモノしかない。(それでも、私は色々とやりますがね) 細かな調整は出来無い。
テンションを変える事は、良くやる。
今、奥様用のBoraは、超テンション低め(笑) コレが案外イイ。凄ーく合う人もかなりいる。テンションを聞いてビックリする人は多い。
どこぞのホイール屋さんが聞いたら、怒るだろうが、めちゃくちゃ低い。
奥様用のホイール、色々とテンション変えたホイールを試した、何も情報を与えずに。その結果、テンション低めが一番好きと言う結論だった。私のBora は、ぬと〜〜と回る。面白いんですよコレが。
テンション高いホイールや低いホイールは常に用意している。真円度が高いホイールも常に考え用意している。
その中で走るステージで、セットアップを近づける。
テンションを変えるとか、ベアリングの有り様を変えるとかは、ファクトリーホイールでは決して出来ないと思う。そこに手組みって言う要素が存在すると思う。
既存のメーカーや有名人が良いと言っても、ホントか?と思うべきだ。
例えば、スポーク本数。最近はフロント20本が主流だろう。果たしてそれが本当に良いのか?
真円度からしたら、本数は多い程良い。多ければ多いほどです。40本や50本はやってみたい。ホントに悪いホイールか?誰もが試して居ないだろう。
CX-RAYがホントに良いのか?素材面や仕様を含め、ホントに良いのか?ホントは使い方次第で良いとは言えないのでは?と思う。硬きゃいいってわけじゃない。
リムにしても、圧倒的に高剛性に振る事だって今なら十分可能だろう。アルミ鍛造削り出しだって、軽量で簡単に出来る。マグ鍛造だって簡単だ。
ハブに関しては、私はやっぱりスラストローラーベアリングだと思う。特注になるが、スラストローラーベアリングの方が横方向や斜め方向からの入力には有利だ。どうしても横や斜め方向の入力がロードでは頻繁にある。これをカートリッジベアリングで受けるのは、よろしくない。自転車の速度レベルと重量レベルじゃ大丈夫じゃね?と言う事だろう。特注になるし、造りも面倒だし、誰もやらない。ホントは使うべきなんだけどね。
また、前後輪同じであることはない。ハイトだけでは無く、全く違うメーカーや全く違うコンセプトでもいい。プロは使えないが、アマならアリだ、究極のホイールは、前後輪同じである必要はない。むしろ前後輪違う方が正しいのでは?と思う。
私的には、動かす所は動かす。動かさない所は動かさない。って言うのがサスセットの基本。フレームは動かしたくないし、アーム類もヨレたり動かしたくは無い。逆にショックアブソーバやサスは入力に対して動かしたい。ニューラルにね。コレはクルマやモトからの発想で、ずーっとコレだ。あちこち動かすと、論点が見えない。動かす箇所は少ない方がわかりやすい。ロードの場合、ホイール、車輪にサスペンションの役目を負わせたいと思ってます。だからこそ、テンション等はこまめに変えたりする。触れをとるってだけではなく、そこにそれを求めているから。
で、今回のマビック。私が感じた事。
まず何も情報を得ない状態で履く。変な偏見や好みなど無視し、ニューラルな状態で乗った。
硬い。
即、そう思った。硬い。(マビック側からしたら、そう思うのは驚きだったと思うし、そう伝えたらちょっとびっくりしてたな。)
造り手側の知識を総動員したら、硬いのは当たり前だと思った。
チューブレスレディやチューブレスなので、リムは硬く作るはずだ。タイヤ交換で、素人さんがレバーなどガンガン使うはずだろう。そう考えると、ガッチリしたリムは作るはずだ。
また、なるべくヨレはなくしたいだろう。現状の自転車用チューブレスタイヤのビート部では完全なる密着は厳しいだろう。クルマやバイクのタイヤからしたら構造を含め貧弱だ。
そう考えると、テンションは高く、スポーク剛性も上げたいだろう。
ホイール自体は硬かったが、タイヤは柔らかかった。ゴツゴツさせないように低圧にしていると思えた。
確かに瞬時の柔らかさは感じたが、それはタイヤの空気圧の低さだとわかった。初心者さんの為に、多分シルキーさを出したかったのだろう。騙されませんよ私は。
空気圧の低さは、そのまま最高速域では速度が喰われる結果となる。
スポークテンションを触り確かめる。なかなかのテンションが掛かっている。スポークも硬そうなスポークだ。コリャ硬いだろ。
硬いホイールが好きならアリだ。
戻ってマビックの方に構造等の説明を受けた。案の定な説明だった。まぁ空気圧をまずマックスにしてもらい再度乗る。
速度の喰いは感じ無くなったが、やっぱり硬さをダイレクトに感じる。路面の凹凸は拾う。極長距離が好きな私には、負担になりそうな感じだった。柔らかなフレームでは良いのかな?後は後輪だけならいいのかな?と思う。
マビックはチューブレスレディだと言っていた。しきりにタイヤ交換の楽さを言っていたが、それはそのままビートの柔らかさになるだろう。ビートの押し付け力の低さはエア漏れの可能性があるってこと。シーラントを使えと言うがね〜〜。私らクルマ業界からしたら、そんなタイヤはゴミなんだけどね…。
当然だけど、タイヤのはめ易さは、サイド剛性の低さに繋がる。それを補う為にホイール側の剛性を上げたのかもと想像出来る。マビックがタイヤまでセットにしたのも、そこまで含めなくては、素人さんには、嵌められないタイヤになってしまうからだろう。
カットモデルの写真をみたが、ビートの密着度は低い。余りに低いエア圧では即ビート落ちはある。またタイヤ自体の強化は重さもあり難しそうだ。
またタイヤはリムをコジって付けるので、破損やキズの恐れがつきまとう。特にチューブレスはそうした事を容易に想像できる。マビックのタイヤは横は柔らかいと思えた。
ただ、クリンチャーよりは、はるかに剛性はある。ビート部もだ。エア低圧化では、クリンチャーは全体が柔らかくなる。ところが、チューブレスはサイドの剛性をある程度は出さなくてはいけないので、ある一部分だけ柔らかく出来るようなタイヤの作りが可能だ。例えば、パターンとサイドの分け目とかね。そこだけ落とす事も可能なんです。よって空気圧の細かな変化に対応は出来、その変化にも敏感に反応する。だからこそエア圧を上げて走りたかった。走った結果は、微妙な変化がダイレクトに伝わってましたね。予想された通りです。
チューブレスの真骨頂は、偏平率の変更が可能だと言う事。チューブやチューブラーは円なので、幅広は即偏平率の高さに繋がる。ところがチューブレスだと低偏平率で幅広が可能なんですよ!クルマやバイクがそうであるように。また円である必要はなく、半円型だって良い。ココにチューブレスの良さがあるはずだ。ビートさえしっかりしていれば低偏平率タイヤが出来る。そこに至らないのなら、チューブレスは要らないんじゃないか?と思う。(コレを訴える人はほとんど居ないな…)
チューブレスレディとかさ、辞めりゃ良いのにな。また、エア圧を3〜4Bar程度まで引き下げるだけのタイヤ構造なら面白いと思うが、そうなれば、手で普通にタイヤ交換なんて出来ないだろうな…。
ホイール的には、40mmより60mmを試したかった。何故なら、リムの横剛性は落ちるはずだから。私的には、低ハイトリムは要らないんだなぁ…色々と思う所があってね(笑)
特に後輪には良さそう。小耳に挟んだが、コメットディスクにチューブレスが出るのでは?と言っていた…それは面白そうだった。
買ってみたいとは思う。もちろんファクトリーセッティングのままで乗るほどアホではない。テンションを含めて色々イタズラしてみたいなと思う(笑)。まぁ買うなら60mmだろうな…。