TTマシンのセットアップはめんどくさい。

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実は、トライアスロンバイク(エリートはまた別ね)とTTバイクは全く違う。
セットアップ自体もロードやトライアスロンバイクとは違う。

まず、規定に合わせる事から始まる。
身体に合うとか、速く走れるとか、快適性は全く無視です。

規定から始まると思って良いです。

身体的に小さい方は良いが、大きい人は非常に、セットアップには困難です。

TT用にと買ったマシンが実業団では走れないなんて話は良く聞きます。トライアスロンとTTは別枠だと考えた方が良いです。そして普通な方々が思っているTTマシンと思える半分以上は実業団みたいな正式なTTでは走れません。
そしてよほど詳しいショップで購入することをお勧めする。さもないと買ったはいいが全く使えないなんて事すらある。

セットアップに関しては。フレームサイズに関係無く、サドルはBBセンターより5cm後退から始まる。
そして、フレームサイズに関係無く、DHバー先端(付属品の最大長時の先端)がBBセンターより75cmから始まる。
また、DHバーとサドルは水平から始まる。

この要件をはじめに作るのがTTマシンの基本です。
基本的にサドル高だけ合わせて、有無を言わせずこの位置にするのが基本。ですから、通常DHバーはカットする事を前提とします。(市販品は長過ぎる。)

セットアップ幅は、サドルが5cm後退なら、DHバーは最大80cmまでOKですが、大抵の人は5cm後退など取れません。(ロードバイクを測るとわかるが5cmも後退させて乗っている奴など居ません。)
ですから、DHバー先端は75cmです。

また、サドル後退5cmを取れたとして、私のマシンのように、ポストが垂直方向に稼働する車体ならまだしも、斜め方向に稼働する車体なら、下げるとサドル後退5cmから外れるので、ポストを下げた場合は、サドルをさらに後退させて確保させる。なので、ぴったり5cmより安パイで調整して置くことが大事。

そしてサドルは5cmよりも前方にセットアップすると思いますが、必ずBBセンターより後方です。センターより前には出せません。


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(↑TTでは使えないサドルの代表格)

また、サドルの両端(前側は最大に盛り上がっているところ)で水平を保つことを要求されるので、SMPなど極端に後方が上がるサドルは、とんでもなくケツ下がりにセットアップしなくてはならない。(座りそうな場所が水平ではない、画像よりケツ下がりにセットアップする。)よって最近では、プロツアー選手たちはSMPを使わない。逆にアレに慣れてしまわない方が良く、うちに来ている選手達には、使用を禁止するほどです。
実業団TTでは、このサドルでダメ出し喰らって居る方が居ます。


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(↑10cm以上高いDHバーの下駄)

何もわかって居ない人は、TTポジションは低いから空気抵抗が少なく速いと勘違いしている人が多いが、今年の世界チャンプでもある、トム・デュムランなどは、恐ろしくDHバーに下駄を履かせている。

トムもそうだが、多くの選手が、市販品では追いつかなくて、わざわざ特注のパイプ等で底上げしているほどで、トムも年々上がって居ます(笑)

ポジションの低さが低い程良いなら、下駄など噛ませない方が良いが、ところがそうではない。

DHポジションの真髄は腕にあるので、あまり低さは意味のないことのように思えるし、低いから空気抵抗が低い訳でも無い。そんなに単純な事ではない。

また規定内に収めて行くと、DHバーの高さでどうにかしてやろうと思えてくるので、DHバーの高さを調整できないハンドルは使わない方が賢明で下駄は履かせるなら履かせても構わない。



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(直進性は高いが、安定性は低いバトン)

今年のフルームはバトンを使って居ない。
案外賢明な事だと思う。
はっきり言うと、Fにバトンを履いたことがないなら、買うのは辞めた方が良い。
ロードでバトンを履くのとは訳が違う。恐ろしくハンドルを取られる。無風状態ならまだしも、少しでも風が吹くと、怖くて乗れない程。
80mmでもTTマシンは怖い。ロードでは平気な風でもです。なにせ強風なキャノボに、80mmとディスクで行く私…そんな私ですら、僅かな風でも怖いと思うほど。さらにマビックiOなら死ぬ程怖い事請け合いです。(iOは直進しようとする不思議なホイール)
50mmで十分ですし、わざわざマシンを抑えつけるチカラを使わなくて済むならその方が速いですからね。


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(最近は小さめを買うのがトレンド)

そんな私のマシンのTOPは520mmしか無い。普通なら30mmは伸ばしたいところ。しかもステムは90mm。ロードだと110mmなんて長さを使うが、90mm。それもこれも規定内に収めようとした結果です。

ロードの常識は通用しない。通用するほど甘くない。


規定を知らないのにTTマシンを買うなど、どうかしていると思う。その為に泣く泣く乗れずに手放した方々を沢山知っている。実業団選手ですらです。

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同じダイヤモンドバックだが、コレは実業団TTでは走れない。アウトです。コレは案外わかりやすいかも?しかし理由を正確に言える人は少ない。

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一見使えそうだと思われるが、コレもアウトです。もちろんプロツアーでも使えません。


多分何故?と思う人も多いはず。理由がわからないウチはTTなど何にも知らないと思って良い。
使い道が極端に狭いTTマシン。間違えたと笑えるはずもないので注意。

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(塞げるなら塞ぎたいですが…)

また、こんな感じに空気抵抗削減の為で無くとも、ボルト穴をテープ等で塞ぐことも禁止されている。唯一ディスクホイールのバルブ穴のみ塞げる。   

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もちろんこんなカバーでディスクホイール化するのもアウトです。二つの理由でアウトなんですがね〜〜。

魔改造的な事は一切不可です。

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なので、使わない後ろ側のボトルゲージ穴は、ボルトで塞ぐしかないです…。


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またこの様なクランクは使って良いが、普通のクランクに貼ったり切ったりしてこの様な形にする事はアウトです。在るものをありのままで使うこしか認められてない。

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ボトルもサイズ指定されている。
みんな大好きELITEのクロノCXは、ギリギリ規定内。逆にコレじゃ無いやつを探す方が難しい。



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もちろんshivの内装ボトルはダメです。BB上のボックスもダメです。

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↑ジャイアントのDHバーの間のボトルもダメです。

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ボトルでは無いが、スピコンの後方のボックスもダメです。外して走る感じです。

普通に売っていてもそのままでは走れません。

すげ〜難しいです。TTって