大江馨、城戸かれん、小林壱成、毛利文香(ヴァイオリン)

有田朋央、田原綾子(ヴィオラ)

伊東裕、笹沼樹(チェロ) 

 

ブラームス/弦楽六重奏曲第2番 ト長調Op.36
 (Vn1城戸、2大江、Va1田原、2有田、Vc1笹沼、2伊東)

ブルッフ/弦楽八重奏曲 変ロ長調 Op.Posth
 (Vn1大江、2小林、3城戸、4毛利、Va1田原、2有田、Vc1笹沼、2伊東)
グリエール/弦楽八重奏曲 ニ長調 Op.5
 (Vn1小林、2毛利、3城戸、4大江、Va1有田、2田原、Vc1伊東、2笹沼)
<アンコール>
J.シュトラウスⅡ(山中惇史編曲)/ラルッチ・ラルーチェ・ポルカ(原曲 トリッチ・トラッチ・ポルカ)
メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲より 第4楽章

 

2019年最初のコンサートは、久し振りに笹沼君のチェロが聴きたくて、東京文化会館小ホールにて“ラ・ルーチェ弦楽八重奏団”

 

笹沼君のチェロを初めて聴いたのは2年数か月前、パーカッショニストの武井千春ちゃんに「委嘱曲もやるので是非」と誘われて行った久我山宣教会でのコンサートだった

その時フェイスブックに書いていたのは

「さて最後に登場したのはチェロの笹沼樹君
我々のすぐ目の前で、腰かけるや否や呼吸も荒々しく(ちょっとグールドを思い出した)リゲティのソナタを弾き始めた
最初のフレーズを聴いただけで僕も山本くんもぶっ飛んだ

この曲をいともたやすく太く豊かな音色で素晴らしい表現力で聴かせるとは
さすがはヴェンゲーロフやギトリスや 2chellos と共演しているだけのことはある
終演後に話した時に割合とくだけた感じを受けたので、2chellos と相性がいいのではという感じを受けた」

 

ドイツ、フランス、オーストリアでも研鑽を積んでいる日本のトップレベルのホープの若者達の、やや荒削りなところもあるが、フレッシュでダイナミックな素晴らしい演奏だった

かなり個性が強い8人だが、クリスマスも年末年始も返上し合わせをしたそうだ

 

その個性の集まりが一曲一曲、見事なアンサンブルで紡いでいった

 

演目はブラームスの六重奏曲とブルック、グリエールの八重奏曲

 

ブラームスも勿論良かったが、ブルッフはメンバーの全員がひとつの呼吸をしているかのようなハーモニだった

個人的にはグリエールの最終楽章の演奏が最も気に入った

 

3曲ともそれぞれ、各パートの担当、配列が変わる(同じ八重奏曲でも異なる)

それぞれの椅子も異なり、笹沼君はピアノ椅子だった

 

皆全身を使って演奏しているが、同じ楽器でもボウイングが大きく異なるのが座席のおかげで良く分かった

珍しく前方席だったのでその躍動感を肌に感じた

 

特にブラームスではヴィオラが正面だったので、ふたりとも大きな動きをしているのが目立った(それに対してブルッフではチェロが正面だった)

 

笹沼君がどちらかというと荒々しいともいえる低音が大きな魅力なのに対し、伊東君は中高音を豊かに歌うという感じ


アンコールは藝大卒の同世代山中惇史編曲のラルッチ・ラル―チェ・ポルカ

遊び心とサービス精神あふれ、新年らしく「こうもり」が入ったり、パガニーニのヴァイオリン協奏曲1番第3楽章なども組み込まれてヴィルトゥオーソ的な面もあり、十分楽しめた

ホイッスルには大笑い

https://www.youtube.com/watch?v=Jwk-VyvJwXg&index=3&t=0s&list=PL44y1sqSBrfu0Y2EKb76LQscmk4CvKYNR


前半のアンコール2曲も、オシャレ感とグルーブ感たっぷり。なんと言っても、この若い弾き手の皆さんが心底楽しんで演奏していることがひしひしと伝わって来るのが嬉しい。

 

 

体の大きな笹沼君とドイツから帰国中の大きなボウイングの有田君と

やっぱり笹沼君デカっ!