来年2月1日の「若林かをり フルーティッシモ!plus」のレクチャー&デモンストレーション「フルート音楽の変遷」
大量の知識を得ることができ、良い勉強になった
※自分用のメモなので長い
 
第1部 「フルート音楽の過去から現在へ」~フルート音楽の変遷について
ドビュッシー/シランクス
       /牧神の午後への前奏曲(冒頭)
ピエール=オクターヴ・フェルー/三つの小品より第1曲「恋する羊飼い」
J。S.バッハ(シャリーノ編)/トッカータとフーガ(冒頭)
シャリーノ/「歓喜の歌」(一部、増幅がないものと増幅があって少し残響も加えたもの)
 
第2部 「デモンストレーション:ライヒとノーノ」~各作曲家とその代表作について
ライヒ/ヴァーモント・カウンター・ポイント(多重録音+ライブ、スピーカー使用)
ノーノ/息づく清澄のデモンストレーション(スピーカー使用)
 
レクチャーは今年3回目、うち音楽2回(藝大創造の杜におけるルトスワフスキに関しての楽理科教授の解説)
 
若林かをりはウッドフルート使用(恥ずかしながら中に金属が入っているとは今まで知らなかった)
バス・フルートも用意(ノーノで使用)
 
中学校の吹奏楽でフルートを始めたことや、大学時代もソロではなく主にアンサンブルをやっていたこと、ストラスブール留学の動機、向こうでの生活などの話をはさみつつレク
 
シランクスを聴いて音が白尾隆に似ていると思った(自分が好きな彰のではなく)
 
牧神はCis で始まるが、これは全トーンホール開放なので、簡単そうに見えるが、楽器のバランスを取り、また角度を一定に保つことが難しいため、音程に狂いが生じやすい
 
フルートの新しいメカニズムがパリ音楽院において生み出されると、その奏法の発展と確立がなされ、ドビュッシー、フォーレをはじめとするフランスの作曲家たちが多くの楽曲を書いた
それまではドイツの作曲家の楽曲が多かった
加工技術の近代化により新しい曲が生まれてきた
ヴァレーズの“Density 21.5”はプラチナ・フレームのために書かれた(白金の1立法センチメートルあたりの重さは約21.5gとなることによる)~ちなみに今月ノットの指揮で首席の甲藤さちが演奏予定)
 
フェルーの曲は1921年、ストラスブールでの作曲
 
20C前半のフルートは個性的で、楽器がこう吹けと教えて誘い、助けてくれるよう
楽器との対話により楽器と空間が生まれてくる
 
中世、バロック、ルネサンスとは楽器も場も異なる
マラン・マレーの「ラフォリア」からはスペインへと波及した
 
はじめは下の低音消えてしまう(cf.弦は響く)ので、どんな和音がついているのか分からないが、分散和音でわかる
高音は倍音の利用
 
バッハはシャリーノの編曲で現代音楽に
 
こんな音も出るとアクシデンタルなものが、毎回出るようになってフルートのオーソドックスな技法になることによってポシビリティが広がり、現代音楽が成り立つことになる
 
20C後半になると特殊奏法、ノイジーな音、電子音響が通例化
シャリーノの作品は特殊奏法のオンパレード
 
20C音楽からライヒとノーノという対照的な二人を取り上げる
 
ライヒの「カウンターポイント」の1曲目が「ヴァーモント・カウンターポイント」(1982)
(加藤訓子のパーカッションで馴染み)
ライヒはミニマル・ミュージックというものを編み出したが、「ピアノ・フェイズ」(1967)が好例
(有馬純寿の音と映像による解説あり)
ほんのわずかな音のずれが、ちょうど踏切警報機の音のようになり、16分音符に回帰する
繰り返しと調性があることが特徴であり、同じフレーズがずれているだけだが合わせると総譜になる
 
2月1日はノーノの「息ずく清澄」がメインディッシュ、バスフルートによる演奏の多重録音とライブ
通常のフルートの演奏を実演し比較して解説
ノーノはセリー音楽からライヴ・エレクトロニクスへと移行(時代により大きく異なる)
「息ずく清澄」は音の加工が楽譜に載っている
ガイドラインのようなスコア、例えばキークリック
楽譜にDVDがついている!
三段譜で運指と効果を示し、息の音も~耳を澄ます
エレクトロニクスを通すことにより通常消えていく音を出す
繊細で変化に富んだ弱音のハーモニー
ホールの空間特性が生み出す響
(ホール内を移動して体感)