ネタバレになるので詳しくはかけないが、黴を上手くメタファーに使ったプロットだった
「服に付いた黴は水で洗っちゃいけないんだって。
アルコールで除菌しなきゃいけないってよ。
父さんにそう教えてもらったよ。
僕は罪を背負い生きている。
罪を逃れながら、心を湿らせながら生きている。
湿り、湿り、湿り、湿り……僕の心には黴が生えていた。
アルコールをかけてやんなきゃ!
乾かしてやんなきゃ!
きっとすべてが変わるはずだから……。」
という前宣の通り、帰ってきた次男が黴の生えた革ジャンにアルコールを吹き付けているシーンに始まり、長男が心の黴を取るシーンで終わる内容
壊れた家族、夫婦、親子・・・
そして心の黴
良く作り込まれた2階建ての家の舞台装置はなかなかのもの
それを生かしたのが照明
開演前から続く水の滴る音
藤馬ゆうや、奥山美代子といったキャストが癖のある人物になりきって表現していた
少し安っぽいところもあったが、終わり近くの「雨に唄えば」のシーンが意外だった