濃い役者ばっかりの「フィクサー」を観た
最初は政治ドラマって聞いて、「難しそうだな」「専門用語ばかりだったら途中で脱落するかも」と思っていたんですが、意外と最後まで一気に観てしまいました。もちろん政治の話ではあるんだけど、実際に描かれているのは権力を持つ人たちの駆け引きなんですよね。誰が正しいとか、誰が悪いとか、そんな単純な話じゃなくて、それぞれが自分の利益や立場を守るために動いている。その結果として物事が動いていく。観ていて何度も思ったのは、「表に出ている人が主役じゃないんだな」ということ。ニュースで見る政治家や経営者は目立つけれど、その裏で動いている人間のほうが実は影響力を持っている。もちろんドラマだから誇張はあるんだろうけど、「現実も案外こんなものなのかもしれないな」と思わせる説得力がありました。主人公もいわゆる正義のヒーローではないんですよね。だから観ていて気持ちよく応援できるタイプではない。むしろ「この人を信用していいのか?」と思いながら見続ける感じ。でも、その胡散臭さが妙に魅力になっていて、気づけば次の話を再生してしまう。個人的には、登場人物がみんな何かしら裏の顔を持っているところが面白かった。普通のドラマだと善人と悪人が分かりやすく描かれることが多いけど、この作品は誰も完全な善人じゃないし、かといって完全な悪人でもない。だから裏切りが起きても「ああ、やっぱりな」と思うし、協力する場面でも「本当に信用して大丈夫?」となる。観ている側も常に疑いながら進むことになるので、自然と引き込まれていきました。ただ、正直なところ、「現実の政治もこんな感じなんじゃないか」と考え始めると少し怖くなるドラマでもありました。私たちが見ているのは結果だけで、その結果に至るまでにどんな交渉や取引があったのかはほとんど分からない。ドラマだから大げさな部分はあるはずなのに、不思議と全部がフィクションには思えないんですよね。観終わったあと、「面白かった」で終わるというより、「世の中って結局、人間関係と力関係なんだな」と妙に現実的な気分になりました。派手なアクションがあるわけでもないし、スカッとする勧善懲悪でもない。でも、人間の欲や野心、駆け引きが好きな人ならかなり楽しめる作品だと思います。少なくとも私は、観終わったあとニュースを見る目が少しだけ変わりました。表に出ている人を見るたびに、「その後ろには誰がいるんだろう」と考えてしまうようになったので。ちなみに富田靖子が女性政治家役で出てくるのですが、高市早苗さんにしか途中から見えなくなるのは私だけでしょうか?