「ウゾ12」(OUZO 12) | ショットバー ブートレッガー SENGAWA BAR HOPPIN'

ショットバー ブートレッガー SENGAWA BAR HOPPIN'

BAR HOPPIN'とは・・・・バー巡りのコト
あなたは今夜、どこで呑みますか?
ブートレッガーは仙川の南の端ッコのショットバーです
ブートの酒番が、あんなコトやこんなコトをブログにアップしてますw

「ウゾ12」40度(OUZO 12)40°
■「ウーゾ?ウゾ?」
最近、何かと話題の多いギリシャのお酒です。ウーゾ(正しくはウゾではなくウーゾらしいです)とはブドウの絞り粕を蒸留する、フランスのパスティスやマール、イタリアのグラッパに似たギリシャのアニス系リキュールの総称です。

ウーゾの原型は東ローマ帝国時代に「ツィプロ(Τσίπουρο)」や「ラキア(rakia)」 として登場しており、14世紀には既にアニスが混入されていました。また、「ウーゾ」という名前は19世紀の「ウゾ・マッサリア」(uso Massalia「マルセイユ向け=高級品」)からとか、トルコ語でブドウを意味する「ユズュム」(üzüm)に由来するとも云われていますがハッキリしません。

EU(欧州連合)が規定する、食料品の原産地名称保護制度(Protected designation of origin 略称PDO)に則ってウーゾは製造されています。なので「定められた地域原産品を定められた製法で生産・加工・調整されたものである事」が義務付けられており、他の国で同じように製造してもウーゾとは名乗れないってコトだそうです。

本国では氷を入れたグラスで水とウーゾをハーフ&ハーフで白濁させてアペリティフとして呑むのがポピュラーな呑み方なんだとか。

■「カロヤニス兄弟のウゾ12」
「ウゾ12」は1880年に帝政下のトルコのイスタンブル
(ギリシャ人にとってはコンスタンディヌーポリΚωνσταντινούπολις)
に在留していたギリシャ人兄弟カロヤニス(Kaloyannis Bros)によって配合の試行錯誤の末、試作樽12番目の酒が満足のいく製品になったので販売が開始されました。
SENGAWA BAR HOPPIN'
商品名の「12」はこの試行番号に由来し、また酒類総称をそのまま製品名に選ぶあたりに、風味に対する自信の程がうかがえます。

実はウーゾの原型「ツィプロ」に最初にアニスの香り付けをしたのは14世紀のギリシャのアトス山の修道士でした。アトス山は、ギリシャ人を始め東方正教の「聖山」(Άγιον Όρος)として重要な地位を現在でも保っています。そんなアトス山とウーゾは密接に関連していた事になります。

ギリシャ人兄弟がアトス山ゆかりのお酒を“わざわざ”イスラム教国のトルコ領内で作り始めたのも、当時ギリシャとトルコの間で領土紛争が絶えなかった事や、ギリシャ民族主義の隆盛という時代背景も遠因としてあったかもしれません。あくまで想像ですが。

因みに世界遺産になった現在のアトス山の修道院では、今でも訪れた旅行者にグラス一杯のツィプロと、ルクミと呼ばれる菓子のサービスをしてくれんだとか。(女人禁制だそーです)

兄弟は販売開始から約40年後の1919年にアテネ(Αθήνα)に付随する港湾都市ピレウス(Πειραιάς)に製造拠点を移します。トルコ帝国の第一次大戦敗北を確定させたムドロス休戦協定の翌年の希土戦争(ギリシャ王国が領土拡張を目論んだトルコ帝国との戦争)の真最中の事です。凱旋帰国といったところでしょうか。

現在の「ウゾ12」は最初の蒸留の後、アニスaniseed スターアニスstar anise ウイキョウfennel ナツメグnutmeg コリアンダーcoriander シナモンcinnamon カルダモンcardamonなど10種類以上のハーブとスパイスを浸漬後、更に二度目の蒸留を行い、銅製の樽に入れて熟成させます。

ギリシャ国内での人気も高く、シェア率36%と最も消費量の多い国民的なお酒になったばかりでなく、販売量も年間60万ケースを誇り、ウーゾの中でも世界的な代名詞になりました。

「ウゾ12」の古~いCMです

1999年以降はイタリアのカンパリ・グループ(Gruppo Campari)傘下に入ってギリシャ国内で製造を続けています。本社はピレウスの南東の町に移ったんですが、社屋の面している通りの名前がコンスタンディヌーポリ通り(Konstantinoupoleos Str)と、念が入ってマス。<おしまい>


参考になりましたらペタッと・・・・・

ペタしてね
そーでなくともポチッと・・・・・

人気ブログランキングへ