麒麟の翼 (特別書き下ろし) | こんなもの買いましたseason4 - oasis bootleg ブートレグ ブート

麒麟の翼 (特別書き下ろし)

麒麟の翼 (特別書き下ろし)
東野 圭吾
講談社 (2011-03-03)
売り上げランキング: 17
東野圭吾作品。昨年「新参者」がドラマ化された、加賀恭一郎シリーズ最新作、本日購入して先ほど読了しました。これまでの加賀が出てくるシリーズのなかでは一番完成度が高いなと思いました。最後に大どんでん返しとかあるわけではなく、リアリティのある範囲内でうまく事件を収めているという感じです。

多分氏のキャリアのなかで加賀というキャラクターは元々そんなに重要視されていなかったと思うんですよね。ガリレオの湯川のほうがメインというか、でも赤い指あたりから加賀シリーズでの新作のリリースが短くなってきて昨年のドラマ化を機に完全に本腰を入れ始めたという感じですかね。すでに加賀、松宮のコンビは阿部ちゃんと溝端淳平に置き換えて読んでいる自分がいますから。

前作「新参者」と同様、今回も日本橋が事件の舞台なので前作ほどあからさまではないものの、日本橋の地理であったり、様々な店舗が登場したり、また、ずっと昔、加賀が短い期間ではあったけれども教師をしていた、というエピソードが事件の顛末にふりかけ程度ですけど、少し関わってくるので、このお話を読んだ新たな読者を過去のシリーズに引っ張る要素も盛り込まれているなと思いました。

僕的にはストーリーの後半、250ページを過ぎたあたりでそれまで全然ピンとこなかった犯人の目星がなんとなくついたかなと思ったのですが、でも結果的にはハズしました。

前作「新参者は」殺人事件の捜査にしては本筋とは関係ない部分のエピソードが多くて、まぁそれが積み重なってくると事件の全体像がわかってくるという構成にはなっていたんですけど、正直まどろっこしい部分もあったんですよね。人情味を前面に押し出していたからとくにそう思ったのかもしれないですけど。今作も、事件の捜査方針として一見、直接関わりないと思われる事柄にこだわる加賀のキャラクターは同じなんですけど、でもそれがしつこくならない程度にうまくシェイプアップされているなという印象を持ちました。

ここ最近の東野氏の作品のなかでは一番面白かったですね。白銀、プラチナデータ、カッコウなどと比べても僕的には今作が一番良かったと思います。付属のチラシによると、6月にはガリレオの新作、9月にはホテルマンを主役に据えた新作が出るらしいです。なかなか楽しみですな。