チキです!

 

大学進学で、間もなく県外に出ていく娘

 

 

進学先は自宅から1,000㎞以上も離れており、

 

おいそれと戻って来れる距離ではありません。

 

 

娘には小さい頃から、

 

大学進学と同時に家から出るよう言っておりましたが、

 

いよいよその時期がやってきました。

 

 

 

 

そんな娘の旅立ちを前に、

 

ふと、「キタキツネの子別れ」のお話を思い出しました。

 

 

 

キタキツネは、4~5月頃、3匹ないし5匹の子ギツネを産み、

 

親ギツネは、生まれてきた子ギツネに対して深い愛情をそそぎます。
 

 

そして、春が終わり、短い夏が訪れ、

 

8月下旬頃に行われるのが「子別れの儀式」です。
 

 

それまで親ギツネの暖かい愛情の中で育まれてきた子ギツネたちは、

 

突然親ギツネに突き放されることになります。
 

 

子ギツネがいつものように巣穴に入ろうとすると、

 

親ギツネは狂ったように彼らに襲いかかります。

 

 

子ギツネにとっては思いもよらない出来事。
 

 

すっかり当惑して、何度も何度も親ギツネに哀願して巣穴の中に入ろうとしますが、
 

親ギツネは決して彼らを許しません。

 

 

子ギツネらは、考えられないほどの厳しさで

 

安全で暖かい家から追いやられます。

 

 

 

それは子ギツネたちが、自分の世界を自らの力でひらき、

 

そこで力強くいきていかなければならないことを教えようとする

 

親ギツネの愛情のこもった、しかし、悲しくつらい別れの儀式です。

 

 

 

子ギツネたちは、親ギツネから離れ、

 

それぞれ力の限りをつくして生きていきます。

 

 

しかし、大自然の脅威の前では、

 

彼らは十匹のうち一匹ぐらいしか生き残れないといいます。

 

 

 

 

 

一見、非常に厳しいようですが、

 

親が子供にしてやれる最たるものは、

 

例え親がいなくなっても一人で食べて行けるよう

 

自立させてやること。

 

 

今回の大学進学は、

 

その自立のための第一歩。

 

 

子供自身が、今後どのような新天地を見つけるのかは分かりませんが、

 

キタキツネに倣って、静かに見送ってやるつもりです。