チキです!

 

突然ですが、「相場の名人」と「相場の達人」

 

私たちが目指すべきはどちらでしょうか?

 

戦国時代の有名な剣豪「塚原卜伝」のエピソードをふと思い出しましたので、ご紹介させていただきます。

 

 

 

ある日、卜伝の弟子の中で一番優れていると言われていた弟子が、道端に繋がれた馬の後ろを通りがかった。

 

その時、突然、馬は弟子に向かって後ろ足を跳ね上げた。

 

まさに危機一髪の状況であったが、弟子は咄嗟に素早い身のこなしで、ひらりと身を翻して馬の蹴りをかわし、平然としてその場を立ち去った。

 

この一部始終を見ていた他の弟子たちは、誰もがその見事な身のこなしを褒め称えたが、これを聞いた卜伝は、弟子を褒めるどころか、逆に厳しく戒め、こう言った。

 

 

馬が跳ねた瞬間、素早く身を翻すのは、技が優れているように見える。

 

しかし、馬は蹴る習性があるということを、うっかり忘れて近付いたのは迂闊だ。

 

技だけ優れているのは、せいぜい達人どまり。

 

名人たる者は、馬の後ろに近寄らないものだ。

 

そのような心構えでは名人にはなれない。

 

 

馬を相場に例えるなら、馬(相場)に近づくのであれば、当然、蹴られる(暴落する、失敗する)可能性を頭に入れておく必要がありますが、時に、私たちは馬が蹴るという事を忘れてしまいがちです。

 

運良く今回の蹴りをかわせたとしても、心構えが定まっていない者は、いつかどこかでつまづき、最終的に名人にはなれないのだと言われているような気がします。

 

「名人」は、派手さがなく目立たないものです。

 

 

細かい売買を繰り返し、

 

「今月は○円儲けました!」

 

という人が行き着くところは、いわゆる「達人」なのかもしれません。

 

 

10年以上も前に読んだ本で、本のタイトルさえ忘れてしまいましたが、こういった状況で思い起すと、また違った発見があるものですね。